ページ番号1001495 更新日 平成30年2月16日

ハンディル油田はんでぃるゆでん
英語表記
Handil olfield
分野
油・ガス田

インドネシア・東カリマンタン州バリクパパン市の北東方約65キロメートル、マハカム川河口南部の沼沢地帯(泥州から水域部にわたる)に位置する油田。
フランスのトタール社(現在のトタール社の母体)により 1974 年 3 月に発見され、1975 年 7 月に仮生産が、また 1976 年 12 月に本格生産が開始された。生産された原油はパイプライン(口径 20 インチ、長さ約 22km )でスニパ基地に送られて処理され、出荷される。作業利権は Total 社と日本の国際石油開発(株)とが 50 %ずつ保有している。
地質区としては、マハカムデルタ盆地に属し、集油形態は緩傾斜の背斜と尖滅の複合トラップ。油層は第三紀鮮新世カンプンバル層中の多数の砂岩層で、深さは 800 ~ 2,600m 。原油はパラフィン基でワックス分が多く、凝固を防ぐため加熱している。原油性状は、比重 30.6°API、イオウ分 0.13 %、流動点+ 32.5 ℃。
産油量は、1977 年の 17.5 万バレル/日をピークとして漸減し、2002 年は 15,236 バレル/日、同年末における累計産油量は 8 億 2,700 万バレルと公表されている。なお、2002 年の産ガス量は 1 億 700 万立方フィート/日、同年末における累計産ガス量は約 1.6 兆立方フィート。発見当時に発表された究極可採埋蔵量は約 5.5 億バレルであったが、累計生産量はすでにこの数値を大幅に超過(埋蔵量成長)している。

主文献 “Giant Fields 1968-78”(1980)、『東南アジアの石油産業』(1981)、『世界の大油田』(1984)、『石油地質・探鉱用語集』(1989)、『石油・天然ガス資源の未来を拓く』(2004)
(齊藤 隆、2006 年 8 月)