ページ番号1001498 更新日 平成30年2月16日

バイオマスばいおます
英語表記
biomas energy
分野
その他

バイオマスとは、元来「生物量」を意味する生態学用語であるが、最近では、まとまった量を集積してエネルギー・化学工業原料などに使うことができる動植物資源を指している。
従来から燃料としても利用されてきたが、化石燃料の枯渇が認識されるようになって注目されるようになった。太陽エネルギーを植物の光合成作用により変換し、貯蔵や利用する一つの方法と考えることができる。現在利用可能なバイオマス資源は、さとうきび、とうもろこし、いもなどのでん粉・糖質作物、海藻・クロレラなどの水生植物、天然ゴムなどのゴム植物、やしなどの油脂植物、アオサンゴ、ユーカリなどの石油植物および木材が挙げられる。これら栽培植物のほかに、農林畜産廃棄物や産業廃棄物も利用できる。栽培植物からは糖・でん粉発酵によるエタノールや抽出分離・化学処理による炭化水素などが生産され、廃棄物からはセルロース発酵によるエタノールやメタン発酵のメタンが生産される。現在、地球上には約2兆トンのバイオマスが賦存しており、毎年 2,000 億トンが再生産されている。世界のどの地域でも生産が可能で、比較的手近な技術により利用可能な資源であるが、実用化するには燃料にするまでの収獲、集荷、処理、輸送などへの投入エネルギーやコストを差し引いて考える必要がある。