ページ番号1001500 更新日 平成30年2月16日
- 英語表記
- vibroseis
- 分野
- その他
今日最も汎用的に用いられている陸上の非爆薬震源のこと。
1970年代にConocoにより開発されパテントが取得された。手法的にはレーダーで開発された手法を地震波へ応用したものである。周波数が連続的に変化する信号(スイープ)を入力として振動を発生させ、観測される振動波形とスイープ波形の相互相関をとることにより波形圧縮操作を行う。この開発においては、理論的な問題より、地表面で制御信号に合致した地震波動を生成させるための技術開発が主題であった。各種センサー信号を入力として制御する電気回路と油圧サーボ回路の開発により一気に広まり、現在では山地や湿地帯・浅海域など地表条件による制約が無ければ陸上で最も多用されている震源である。
機構はベースプレートとそれに接合されたピストン、ピストンを軸として上下に振動するリアクションマス、油圧回路とその電気的制御回路などから構成され、ベースプレート、リアクションマス上には加速度計が設置され、変位計などとともに制御に使用される。
地面へ与えられる振動は、Ground Force(GF)と呼ばれ、バイブロサイスで重要な概念である。GFは、リアクションマスの質量にその加速度を乗じた値とベースプレートの質量にその加速度を乗じた値の合力で表される。ベースプレートには車両重量を載荷させ(Hold Down Weight:HWと呼ぶ)、制御装置はGFがHWを超えないように(飛び上がりを防ぐ)制御する。
また、理論的な考察によれば、GFの位相は、遠方での速度波形の位相に一致することが示されており、レファレンス信号と合わせる信号としてはGFが使用される。
海上でのバイブロサイス震源を応用した装置として、マリンバイブレータがある。これは、巨大な円盤型のスピーカのような構造を持ち、水中でスイープ波形を圧力波として送出できるものである。
(黒田 徹、2008 年 5月)