ページ番号1001504 更新日 平成30年2月16日

バシネフチばしねふち
英語表記
Bashneft
分野
企業

ボルガ=ウラル地域のロシアバシコルトスタン共和国の国営石油会社。
同共和国の石油生産の開始は早く、1932年に遡る。原油生産は1960年代後半に最盛期を迎えたが、以降は生産条件の悪化から減少傾向にある。同国の国営石油会社バシネフチは生産と販売を行っており、探鉱子会社1社、生産子会社1社、精製子会社2社(ガス精製プラント)、販売子会社2社で構成される。
バシネフチの原油生産量は、1995年の1,774万トンから減少を続け、2001年には1,186万トンまで下がった。その後は1,200万トン代を維持しているものの、ロシア全体の生産量の2.6%を占めるに過ぎない。既存油田は枯渇が著しく進み、平均含水率が90%以上に達している。従って、生産井一本あたりの産油量は2.30トン/日と非常に小さい。このように、同社の原油生産量はロシアの垂直統合石油企業の中で最低の水準にあり、これに加えて生産性も低い。また同社のバシコルトスタン共和国の管轄区域内は成熟した油田地帯であり、新規油田発見も難しい。さらにバシコルトスタンで生産される原油は硫黄分が高く、トランスネフチによる輸出量規制を受け、パイプラインによる輸出が増加できていない。今後はバシコルトスタン共和国政府の支援を受けながら、生産性の向上が重要な課題となっている。

(中島 敬史、2007年3月)