ページ番号1001510 更新日 平成30年2月16日
バラストばらすと
- 英語表記
- ballast
- 分野
- その他
船舶が貨物を積まずに航海する場合に、船舶の喫水を深くすることにより、安定性を増加し、推進器を十分に水中に沈下させるために積む加重物体をいう。
船の喫水(脚)を作ることから、脚荷{あしに}とも呼ばれる。一般貨物船のバラストとしては固体重量物(砂、れき)などを使用する場合もあるが、タンカーや鉱石船などでは海水を使用し、天候に合わせて任意に調整できる。大型タンカーには専用のバラスト・タンクが設けられており、貨油管および貨油ポンプからなる貨油管系とバラスト注排水のための管系とは完全に分離されているため、バラスト専用タンクへの注排水は荷役中でも可能である。大型タンカーでもバラスト専用タンクのみでは喫水が十分とれない船もあり、このような船は荷揚げ後の貨油タンクにバラストを注水する。小型タンカーではバラスト専用タンクを備えている例は少なく、荷揚げ後の貨油タンクにバラストを注水する場合が多い。これらの場合はバラスト水には油が混在し、バラストを海中に排出する際に油濁を起こす原因となる。1983 年 10 月 2 日に、MARPOL 73/78 条約が発効し、その内容は「海洋汚染および海上災害の防止に関する法律」に盛り込まれ、バラスト水の排出による油濁を防止するために、これら条約あるいは法律ではバラストの注排水について船舶の大きさと建造時期などにより、構造、設備要件および取扱いが厳重に規制されている。