ページ番号1001552 更新日 平成30年2月16日

ビチューメンびちゅーめん
英語表記
bitumen
同義語
瀝青 [ れきせい ]
分野
その他

(1) 瀝青{れきせい}と邦訳されている。もともとは、堆積岩{たいせきがん}(あるいは堆積物)中に見られる半固体ないし固体状の石油、タール、アスファルトを指していたが、定義が次第に拡大されて、現在では、堆積岩(あるいは堆積物)中の有機物のうち、ベンゼンなどの有機溶媒に溶けて抽出される有機物をビチューメンというのが普通で、抽出性有機物(extractable organic matter)ともいわれる。
大まかにいえば、ビチューメンは、石油根源岩で生成された油が移動する途中、あるいは貯留岩に移動・集積した後にさまざまな原因で形成されたいわば石油の残査、または泥岩などの石油根源岩で生成され、まだ移動していないか移動した後の残りの石油ともいえる。したがって、地表の露頭や坑井掘進中にビチューメンが認められれば、その地点の地下深部か周辺鄙で石油が既に生成されていることの指標になる。また、泥岩などに含まれるビチューメン量は、基本的にその泥岩の石油生成能力の大きさに関連していることから、根源岩評価の指標の一つとしてよく利用されている。ただし、泥岩などから抽出されるビチューメンの量と内容は、その岩石中に含まれる有機物の質と熟成の程度によって変わり、有機物の種類によっても抽出量が大きく変動するので、分析データの比較や検討の際は注意が必要である。(2) 実用的・商業的物質でビチューメンという名で呼ばれるものとして次の二つの例がある。一つはサンド・オイルすなわちオイル・サンド層の砂粒に付着している半固体で重質の炭化水素で、加温することによって流動性を得て砂と分離されるが、重金属等を多く含み、また残留炭素分が多く、そのままでは通常の精製装置にかけられず、事前にアップグレーディング装置で分解と不純物除去を行う。もう一つは、アスファルトのことを別名としてビチューメンと呼ぶことがある。