ページ番号1001558 更新日 平成30年2月16日
ピークシェービングぴーく しぇーびんぐ
- 英語表記
- peak shaving
- 分野
- その他
時間的に変動する需要のピークに対応するための供給サイドの特別の対策のことである。
液体・固体の商品の場合は、需要変動対策は貯蔵とその払出しの計画的運用で対処できるが、ガスの場合は必ずしも容易ではない。需要の時間的変動には日間変動(時間変動)と年間変動(季節変動)とがあるが、ガス供給事業の場合、日間変動に対してはガス・ホルダーによる一種の貯蔵で対応できるが、季節変動となると量が大きすぎてホルダーでは間に合わない。製造ガスの場合にはピーク期間の需要に合わせた製造能力をもつか、ピーク期間中だけ LPG 、天然ガスなどを補充するかの方法があるが、ガス組成を調整することが問題となる。ピークシェービングが特に問題となるのは、天然ガスによるガス事業の場合である。一般に天然ガスはガス田からパイプラインによって供給されるが、その設備投資額は大きいので、その稼働率が事業全体の経済性に大きく影響し、ピーク需要に合わせた能力の設備を設置することは不経済である。このために特にピーク時に供給量を補う手段の工夫が問題となってきた。夏季に余分のガスを需要地の近くで地下貯蔵(ガスの地下貯蔵)し、冬季に取り出すことや、需要地の近くに液化工場を設けて夏季に余分のガスを液化して LNG として貯蔵し、冬季に再ガス化して取り出すことなどがピークシェービングの方法として発達してきた。最近では天然ガスと似た組成のガス(SNG)を製造する装置を備えて、ピーク時期にだけ運転するといったピークシェービング法もある。