ページ番号1001801 更新日 平成30年2月16日

油田の経済的評価法ゆでんのけいざいてきひょうかほう
英語表記
economic evaluation of oil field
分野
その他

一つの油田の経済的評価を行うためには、(1) 油田の埋蔵量・生産性といった地質学的、油層工学的特性、(2) 原油価格、(3) 開発・操業コスト、(4) 契約条件、税制などが重要な要素となる。可採埋蔵量や産出速度(またはその時間的推移としての産出減退経過)は、油田の開発、採収方法(油層管理方法)、特に坑井数やその配置、並びに水攻法その他の人為的増収法の適用のいかんや時期によって変わり得る。したがって、油田の経済的評価にあたっては、まずいろいろな油層管理方法を仮定した場合の産出減退経過と究極可採量を求め(その繰り返し計算作業は油層シミュレーションと呼ばれる)、それに基づいて採油期間全体にわたって実現される収益を算定しなければならない。原油価格は、その性状や油田の地理的位置、その時点での石油需給関係、産油国の市場支配力、他のエネルギーコスト、物価、インフレなどによって影響される。コストでは探鉱・開発費、生産操業費およびロイヤルティ、所得税といった対政府支払いなどが重要な要素を占める。なかでも生産井掘削、生産施設の建設、原油輸送設備といった開発投資の占める割合が高く、しかも地理的条件(深海など)や気象条件(氷海など)によって経済性が大きく左右される。これらの要素を基に、将来の現金収入を DCF 法により求め、割引現金収支利益率(DCFROR)を算出し、これに基づき評価する方法を取ることがほとんどである。また、この場合、投資回収期間(payout time)を評価手段の一つとして組み合わせることも多い。初期投資を早期に回収することはリスク回避上極めて重要な要素となるからである。DCF 法以外ではこのほか利益対投資比(profit/investment ratio, benefit/cost ratio)や会計的利益率( book または accounting ROR )なども、特に中小石油会社でかなり使われている。これに対しホスコルド法はほとんど使われていない。以上は油田開発投資の意思決定に当たって最も普通に用いられる収益性に着目した評価であるが、油田の売買価格の評価のためには将来の予想収益を現在価値に換算した正味現在価値 (NPV)が用いられることが多い。DCF 法によって NPV を算定するにあたって用いる割引率(discount rate)については、米国の最大手 20 社は 1983 年後半には平均の税引き後の資本費として、16 % / 年(ただし 1983 年・ドル価格)という値を用いていたという調査結果がある。要求利益水準として 20 % / 年をとることもある。