ページ番号1001911 更新日 平成30年2月16日

ワイヤライン・フォーメーション・テスターわいやらいん ふぉーめーしょん てすたー
英語表記
wireline formation tester
分野
その他

地層情報を得るために、電気検層用ケーブルを用いて坑井に降下されるテスト・ツールであって、ドリル・ステム・テストに代わる手段として開発された。テスターは裸坑部、ケーシング部のいずれでも操作可能であり、地層流体試料の採取と地層圧力の測定を実施するが、最大の目的は地層流体が油かガスか水かを明確に把握することにある。テスターの利点はドリル・ステムやプロダクション・ストリングなどの揚降管が必要ないので大規模な施設を必要とせず、経済的に短時間にかつ安全に作業を実施でき、しかも連続的にテストを繰り返すことが可能な点である。しかしその反面、調査対象が坑井近傍の泥水ろ過水が浸入している地層中の 1 ポイントにすぎないこと、試料採取量が少なくまたろ過水のみ採取した際、その解析が難しいことなどにより、テスト・ポイントから当該地層全体を把握することが困難な点がある。このほかにパッカー・シールの漏えいという機械的なトラブルの発生も多い。しかしながら単に産出能力テストにとどまらず、生産井のガス、油、水の境界面調査にも利用されている。テスターは SP 曲線、GR 曲線や CCL(ケーシング・カラー・ロケーター)を用いて目的深度までケーブルで降下させ、シール・パッドを坑壁ないし管壁に密着させてサンプル・ジェットを発射したり、スノーケルを地層に挿入したりして、地層流体をテスター内の試料室(チャンバー:量は 10,250cc ~ 20,500cc )に流入させ採取する。試料室内に試料が充てんされると試料室は密閉され、地層圧力の測定が開始される。この間テスターの作動と圧力変化の挙動は地上において監視される。作業上の最大ポイントは坑壁ないし管壁に完全にシール・パッドを密着させることにかかっている。テスターは各メーカーよりいろいろなものが発表されているが、代表的なものとしてシュルンベルジェ社の FIT(フォーメーション・インターバル・テスター、formation interval tester)と RFT(リピート・フォーメーション・テスター、repeat formation tester)とがあり、後者は 2 カ所の試料流体と数カ所の圧力測定が可能である。