ページ番号1001915 更新日 平成30年2月16日

わん
英語表記
bays
分野
その他

領海条約と国連海洋法条約では、湾は海岸が単一の国に属する場合で、奥行が湾口の幅に比べて十分深い湾入と定義される。具体的には、低潮線を基に測ったとき、湾口の幅を直径とする半円の面積よりも湾入内の面積が大きければ“十分深い”ことになる。湾口に島があって複数の入口に分かれているときは、それぞれの開口の幅の合計距離を半径とする半円を描いて比較する。もし湾口の幅、すなわち天然の入口の両側の低潮線上の点の間の距離が、24海里を超えなければ、両点を結ぶ閉鎖線より内側の水域は内水として扱われる。一方、地学上の湾の定義は明確なものがない。一般に幅広い海岸の湾入を湾とするが、相模湾のように湾口の幅に対して奥行の浅いものを開湾(bight)、東京湾のように深いものを内湾、あるいは入江と呼ぶことが多い。湾の大きいものを海湾(gulf)とする人もいるが、湾口の幅約 1,100km 、奥行き約 1,800km のハドソン湾も bay であり、結局 bay も gulf も同義語と見なされる。特殊な湾として、スカンジナビア地方に多く見られる氷食谷に海水が侵入した狭長かつ水深の深い入江を峡湾(fjord)という。峡湾はリアス式海岸の溺谷{おぼれだに}とは別である。