ページ番号1001923 更新日 平成30年2月16日

A/D変換adへんかん
英語表記
analogue to digital conversion
同義語
アナログ・デジタル変換 [ あなろぐ でじたる へんかん ]
分野
その他

アナログ(Analog)デジタル(Digital)変換を簡略化して呼ばれる呼称。反射法地震探査で扱う人工地震による信号に限らず、センサーからの信号は電圧変化をあらわすアナログ信号である。これをコンピュータで扱い易いようにデジタル変換する操作がA/D変換である。
A/D変換を行う装置をA/D変換器(AD Converter、略してADC)と呼ぶ。地震探査の分野では、A/D変換の技術は、アナログ信号を小さい信号から大きい信号までいかに忠実に変換するか、という課題のもとに発達した。地震探査では、初動付近の大振幅の振動から後続する振幅の小さい反射波まで幅広い振幅の振動を記録する必要がある。すなわち広いダイナミックレンジが要求される。歴史的にはこの技術としてバイナリゲインアンプ、IFP(Instantaneous Floating Amplifier)アンプを経て24ビットΔΣ型AD変換の技術に至っている。
バイナリゲインアンプやIFPアンプは、入力電圧に応じて増幅度を変えられる増幅器と逐次比較型のA/D変換器を組み合わせたもので、IFPアンプでは、120dB近いダイナミックレンジが得られるようになった。
ΔΣ型A/D変換(sigma-delta ADとも呼ばれる)では、ΣΔ変調器(modurator)とデジタルフィルター(Digital Filter)で構成され、アナログ部分が少なく、ほとんどがデジタル回路で作られるため、調整箇所が少なく、LSIとして量産化され、コストも抑えられる。また、消費電力の点でも優れており、音声や地震波を扱う数Hzから100kHz程度の周波数範囲ではほとんどこの技術が使われるようになっている。近年の探鉱機では、ΔΣ型AD変換器で、ビット数24ビット、ダイナミックレンジ120dB以上のものが使用されている。ΔΣ型AD変換では、必ず出力のデジタル値は、デジタルフィルターが適用された結果である。地震波の解析では、このデジタルフィルターの振幅特性や位相特性(特に直線位相の場合、群遅延)に注意する必要がある。

(黒田 徹、2008 年 5月)