ページ番号1001924 更新日 平成30年2月16日
- 英語表記
- Amoco Corporation
- 略語
- Amoco
- 分野
- 企業
有力インディペンデントもしくはセミ・メジャーとみなされてきた米国の一貫操業石油企業で、Standard Oil Co.(Indiana)と称したが、1985 年に社名を Amoco Corp. に変更した。
1983 年の実績では、総資産、売上高、資本探鉱・開発支出で Socal、Gulf を抜いて全米第 4 位、純益では Exxon に次ぐ第 2 位を占め、既にメジャーの域に達している。創業は 1889 年にスタンダード・トラストによって精製・販売企業として設立されたときにさかのぼる。1910 年代に当時としては最新の精製技術であった Burton-Humphrey 法の発明・実用化によって急成長を遂げ、1920 年代に Midwest Refining Co.、Utah Oil Refining Co. を買収、さらにメキシコに利権を持つ Pan American Oil & Transport Co. の過半の株式と Sinclair グループの 50 %の株式を取得して一貫操業体制を確立した。このとき取得した資産が以後の同社の中核資産となった。第二次世界大戦後においては、イラン・コンソーシアムに参加して中東にも目を向ける一方、1954 年から 57 年にかけて Pan American Oil & Transport の 100 %取得、吸収と、従来からの諸資産の再編成を行い、このころから、米国内事業担当子会社 American Oil Co.(Amoco)の商号の下に事業を展開するようになった。60 年代に入って、まず米国内精製・販売事業を操業子会社 Amoco Oil Co.(American Oil Co. を改組・改称)へ統合し、次いで、北米を除く海外精製・販売部門を Amoco International Co. へ、探鉱・開発生産部門を Amoco Production Co. へ、化学部門を Amoco Chemical Corp. へ、鉱物資源部門を Amoco Minerals へと統合する事業体制を整えていった。メジャーズが海外事業を拡大している間に米国内事業の強化に注力、国内埋蔵量を拡充し、製品販売量では Shell Oil と首座を争うまでになった。事業分野も、各種代替エネルギーや非鉄分野へと多角化している。海外探鉱・開発活動はラテン・アメリカ、カナダを手始めに、1960 年代にはイラン沖合とエジプトのスエズ湾で成功を収めたが、最近は北海、UAE 、ガボン、インドネシアへ広げている。事業基盤が主として米国内にあったことが、石油危機の影響を軽微にとどめ、むしろ有利に作用した。自社所有鉱区比率の高い Amoco は、原油価格高騰による高利潤を享受し得、国内市場シェア拡大を図り得たのである。(→独立系石油会社、→国際大手石油会社)