ページ番号1001931 更新日 平成30年2月16日

AVOavo
英語表記
amplitude variation with offset / amplitude versus offset
分野
その他

Amplitude Variation with Offset(AVO)とは、反射法地震探査において、反射波の振幅がオフセット(発振点と受振点との距離)に伴い変化する現象を指し、炭化水素の直接検知の有力な手法として1980年代半ばに提唱された。
一般に含ガス貯留層上面では、P波速度およびポアッソン比が大きく減少するため、オフセットの増加とともに負の方向に振幅が増加する(振幅の絶対値は大きくなる)顕著なAVO変化が見られる。オフセットによる振幅変化は、入射角によってP波の反射係数値が変化する物理現象によるものである。そのためAVOの代わりにAVA(Amplitude Variation with Angle of incidence)と呼ばれることもある。
P波の反射係数Rは地層境界の上下の層のP波、S波それぞれの速度、密度の複雑な関数で表される(垂直入射の場合は、簡単な式で表される。反射係数の項を参照)。しかし、境界面上下の層の物性の変化が小さい場合は、入射角の小さい範囲(0°~25°程度)で次のように簡略化できる。
R(θ) = R0+ G・sin2θ
ここでR0は垂直入射の場合の反射係数に相当し、Gは境界の上下層の速度、密度の関数であるがθによらない定数となる。したがってある反射イベントに対し、振幅Rをsin2θに対してプロットすることにより、切片R0と傾きGが求まる。実際の解析では対象層を含むある範囲に対して求めた切片R0、傾きGを基に、これらの値、あるいは両者を組み合わせたアトリビュート断面(アトリビュート解析)(P Wave Stack、 AVO Gradient、AVO Product、 Fluid Factorなど)を作成することが多い。またR0、GをクロスプロットしたAVOクロスプロットもよく用いられる。

(西木 司、2008 年 5月)