ページ番号1001935 更新日 平成30年2月16日
BSRbsr
- 英語表記
- bottom simulating reflector
- 分野
- その他
反射地震記録断面上で、層理面とは関係なくほぼ海底面に平行(往復走時差で通常0.5秒以内)して現れる強振幅のイベントで、海底擬似反射面といわれる。
発見の由来から狭義ではガス・ハイドレート含有層と、下位のフリーガス含有層もしくは水層との境界に対応する反射イベントをさし、この場合極性の反転を伴うことが特徴的である。ガス・ハイドレートの安定領域の下限に対応するため、基本的に温度及び圧力条件によって規定され、これにより海面にほぼ平行した形で出現する。一般的に反射振幅も強くガス・ハイドレート存在の指標ともなっている。高分解能反射地震記録では微細な強振幅イベントの集合として現われることもある。一方、広義には地層と関係なく海底面に平行な総ての反射イベントを意味し、珪酸鉱物の相変化(Opal A-CT)に伴うものは日本海や関東以北の太平洋地域でも頻繁に見られる。後者の場合極性の反転を伴わないことが特徴である。この他、一部の地域では海底に平行な反射面が二重に現れることもある(Double BSR)。陸域においては凍土地帯などガス・ハイドレートが存在する場合でも、地質条件によりインピーダンスコントラストが小さく一般的には同等の反射は見られない。
(青木 豊、2008 年 3月)