ページ番号1001943 更新日 平成30年2月16日

CNG輸送cngゆそう
英語表記
CNG transportation
分野
その他

 天然ガスの圧縮した状態、圧縮天然ガスCNG(Conpressed Natural Gas)による輸送。
 天然ガスは、炭化水素資源の中で、重量あたりの発熱量が最も高い、燃焼排ガス中のNOxやSOxが少なくもっとも清浄でCO2排出が最も少ない、埋蔵量が豊富にあるなどの多くの長所を持っており、世界の一次エネルギー消費における比率が年々増大している。しかしながら、唯一の短所ともいえるのは、その貯蔵、運搬における非効率性にある。その原因は、主成分であるメタンの性質、すなわち常温で気体で、単位体積あたりのエネルギー密度が低いことによる。これに対処するためには、天然ガスを圧縮もしくは液化してエネルギー密度を高める必要があり、天然ガスの輸送手段としてパイプラインやガスボンベ、あるいはLNGによる船舶・ローリー輸送がある。しかし、固体の石炭や液体の石油の輸送に比べ、多額の資金や高い技術力が必要となる。
 世界における天然ガスの大規模利用は、第2次世界大戦前より始まった米国においても、戦後普及した欧州においても、主要な輸送手段としてパイプラインに基づくものであった。これに対し、遅れて60年代後半に始まった日本における天然ガスの大規模利用は、海外からのLNG輸入によって可能となった。現在、世界の天然ガス消費のうち9割以上がパイプラインで供給されているが、貿易量に占める割合ではパイプラインとLNGがおよそ3対1となる。これは、長距離になるとパイプラインよりLNGの経済性が増すこと、LNGでは供給国と需要国とが物理的に接続されるわけではなく、供給の多様化が図れること等による。LNGでは液化基地、LNG船、受入基地を含めて多額の投資が必要となり、数tcf(兆立方フィート)以上の埋蔵量を有する油ガス田開発に有効となるが、埋蔵量がこれに満たない場合にCNG輸送が有効となる場合もある。CNGでは天然ガスを約20Mpa(約200気圧)まで昇圧する代わりに、常温~約-30℃で輸送するため、特殊な液化プラントやLNGのような極低温仕様の貯槽が不要で設備費が安価となる。ただし、輸送効率ではLNGより劣るため、輸送に必要な隻数が増え、操業費が嵩む。このため、輸送量が比較的少なく、輸送距離が短い場合に有効な手段となる。

中小天然ガス田マネタイゼーションの新展開 ~新しい開発手段の特徴と可能性について:試論~(石油・天然ガスレビュー、2005.9 Vol.39 No.5)

(森島 宏、2010年5月)