ページ番号1001944 更新日 平成30年2月16日
- 英語表記
- ConocoPhillips
- 分野
- 企業
2002 年 8 月にそれぞれが大手独立系石油会社であった Phillips(フィリップス)と Conoco(コノコ)が合併し、設立された米系メジャー石油会社の一つ。
合併は Phillips による Conoco の買収という形で行われ、合併比率は43(Conoco)対 57(Phillips)であった。資産ベースでは、2003 年末時点で ExxonMobil に次ぎ米国 2 位、原油・ガス埋蔵量、生産量ベースでは米国 3 位、世界でも 6 位の会社となり、メジャー石油会社の一社とみなされるようになった。また 2004 年には、ロシアの Lukoil(ルークオイル社)と、同社の最高 20 %までの株式の取得に合意し、ルークオイルがロシア国内で進めるティマンペチョラ油田、およびイラクでの探鉱・開発事業を共同で行う等事業提携を行った。
Conoco は 1875 年に創立された。当時の社名は Continental Oil and Transportation Co.(コンチネンタル・オイル・アンド・トランスポーテーション)であった。当時米国西部は石油の黎明期にあり、創立当初の事業内容は、貨車による米国東部から西部への石油(灯油)の輸送、および販売であった。
第二次世界大戦後は、イランコンソーシアムへの参加ほか、中東での石油開発利権の獲得、またカナダ、インドネシア、北海等での探鉱をすすめ、国際的な一環操業会社として成長していった。1981年、同社は世界的な化学産業の大手、デュポン(Du Pont)の 100 %子会社となったが、1998 年、石油化学事業を縮小したいデュポンは、Conoco 株を売却、同社株は再び上場されるようになった。
一方の Phillips は、Phillips 一族が 1905 年以降、米国において発見した油田資産をもとに 1917 年に設立された企業である。設立当初は原油天然ガスの生産に限られていたが、その後下流部門へと事業を拡大し、1930 年代半ばには一環操業体制を確立した。第 2 次世界大戦後は、アラスカ油ガス田の開発のほか、事業を海外にも拡大、特に北海油田についてはいち早く進出した企業である。また Phillips は、Marathon Oil(マラソン)とともに、日本向け最初の LNG 事業となったアラスカのプロジェクトを 1969 年 11 月に立ち上げた企業でもある。
2004 年末の時点において ConocoPhillips(コノコフィリップス)が権益を保有し、稼動をしている LNG 事業はアラスカのみであるが、カタール、ナイジェリア、およびティモール海で二つの、合計四つの計画があり、これら LNG の受け入れ先として米国での LNG 輸入基地の建設にも積極的である。
(ICEP、2006 年 3 月)