ページ番号1001968 更新日 平成30年2月16日

LNG 受入れ基地lng うけいれきち
英語表記
LNG receiving terminal
分野
その他

 LNG タンカーによって輸送されてきた LNG を陸揚げしていったん貯蔵し、需要に応じて再ガス化してパイプによって消費先に送り出す施設 。
 海外から大型タンカーによって輸入 LNG を受け入れる一次基地のほかに、そこから液体のまま LNG ローリーや LNG バージによって運ばれる LNG を受け入れて再ガス化する二次基地(サテライト基地)も LNG 受入れ基地の一種であるが、これは通常はるかに小規模である。以下に一次基地の概要を述べる。

(1) 受入れ荷役設備:LNG タンカーが係留される岸壁または桟橋には、耐超低温の LNG アンローディングアームおよびリターンガスローディングアームがあり、これらが LNG 船上の対応する配管系に連結され、LNG は船のタンク内に取り付けられているポンプによって昇圧され、アンローディングアームを経由して基地のタンクに移される。その際タンク内で発生するボイルオフガス(BOG)はリターンガスブロワーにより船のタンクに戻されて、陸上タンク、船のタンクそれぞれの圧力を一定に保つ。

(2) 貯蔵設備:一般に LNG 受入れ基地は貯蔵基地を兼ねる。その貯蔵容量は、定期的な荷揚げに対応するだけのものではなく、季節的な需要のピーク期間に起こり得る送出量と受入量との最大差やその他緊急時への対応も考慮した上で、必要な貯蔵容量が決められる。貯蔵中にタンクで発生するボイルオフガスは圧縮機を通してガス送出ラインに送り込んだり、LNGと熱交換して再度液化させて処理する場合がある。

(3) 再ガス化設備:ガス需要は季節的にも、また 日中の時間帯によっても大きく変動するので、再ガス化設備の時間あたり能力は、年間平均の時間あたり送出量の数倍のものとなる。わが国ではベース・ロード用としては、運転費用が割安なオープンラック方式が用いられ、ピーク対応用としては、負荷変動が容易で設備費用が割安なサブマージドコンバッション方式が併置されるのが一般的である。なお、再ガス化後の送出圧力は、ガス化前の液体状態のときに加圧するので、再ガス化設備内を流れる LNG およびガスは高圧である。再ガス化にあたって放出される冷熱を積極的に利用するために、再ガス化設備の一部を冷熱利用のための設備(→LNG 冷熱利用)によって置き換えることも行われている。

(4) 送出設備:特に海外ではLNG受入基地とパイプライン会社間で取引量を計測するメータリングシステムを送出配管に設置する場合がある。
 LNG 受入れ基地はガス消費地に近いことが望ましいが、一方では大量の可燃物を積んだ LNG タンカーが接岸、荷揚げをし、また大型の貯蔵タンクがいくつも設置されるところでもあるので、用地の確保が課題の一つとなる。なお近年ではコストや環境対策の面などからFSRU(Floating Storage and Regasification Unit)やGBS(Gravity Based Structure)など、洋上にLNG受入基地を設置し、そこで再ガス化とパイプラインへの送出を行う設備やSRV(Shuttle and Re-gasification Vessel)と呼ばれる再ガス化装置付きのLNG船も実用化されている。またこのような洋上受入基地は建設期間の短さもあって今後も増えることが見込まれている。
 わが国では2009年12月現在、27カ所のの輸入LNGの受入れ基地があり、都市ガス会社や電力会社、石油会社によって、ガス事業法、電気事業法、または高圧ガス保安法に基づく認可の下に設置、運転されている。

図 LNG 受入れ基地フロー概念図
(高津 宏和、2006 年 3 月、2010年2月改訂)