ページ番号1001971 更新日 平成30年2月16日

LNG サテライト供給基地lng さてらいときょうきゅうきち
英語表記
LNG supply from satellite terminals
分野
その他

LNG 受入れ基地と需要地の間に設けられる二次受入れ基地。
海外から LNG を最初に受け入れる一次受入れ基地と需要地間がパイプラインで結ばれず、離れている場合、LNG を一次受入れ基地でガス化しないで LNG のまま需要地に設置した二次受入れ基地まで陸路または海路で輸送し、そこで LNG をガス化して供給する。このような二次受入れ基地は、一次受入れ基地の周辺にサテライト(衛星)のように点在して設置されるので、LNG サテライト基地と呼ばれる。
日本国内でもサテライト基地の需要は増えており、地方都市ガス会社が LNG サテライト基地を建設し、熱量変換を行なうケースが多く見られる。また、最近では需要家である企業が、敷地内に LNG サテライト基地(設備)を建設し、気化したガスをコージェネレーションの燃料として使用しているケースも少なくない。サテライト基地へは、これまで 10 トン程度の LNG ローリー車を用いて、一次受入れ基地から LNG を搬入することが多かったが、近年は国内全域で天然ガス需要が高まり、貨車輸送あるいは小型内航船にて、500km 以上離れた地域まで 2 次供給する例も出てきた(内航船による受入の場合はサテライト基地に分類しない場合もある)。
サテライト基地は低圧のガス送出拠点となるのが一般的であるため、LNG の昇圧ポンプが不要な設備・プロセスが採用されている。LNG 貯槽は、液化窒素の貯槽に見られる真空二重殻タンクが使用され、貯槽に付属する空温式の加圧蒸発器によって 0.3 メガパスカル程度に内圧がコントロールされる。貯槽から払い出された LNG は、空温式もしくは温水式の小型気化器にてガス化され、自圧で送出される。
なお、LNG サテライト基地では、貯槽圧を高くしていることで LNG の蒸発を抑制することができており、通常 BOG(ボイルオフガス)処理設備が省略できるケースが多い。

(曹 裕隆、2006 年 3 月)

図 小規模サテライト基地(設備)の例