ページ番号1002015 更新日 平成30年2月16日

S 字カーブs じかーぶ
英語表記
S-curve
分野
その他

LNG 価格を原油等の価格を基準に定める時、両者の関係が示す S 字形の曲線。
LNG 価格フォーミュラ曲線を描いた形状が S に似ていること(図参照)から、S 字カーブと呼ばれる。S 字カーブは S カーブ、S 型カーブとも呼ばれる。
アジア太平洋の LNG 価格フォーミュラは一定の割合で原油価格にリンクしているものが多いとされるが、リンク度合いが一定のままでは、極端な原油価格低迷時には LNG 価格が急落し売主の収益に影響し、また極端な原油価格高騰時には買主の収益に影響するため、いずれの場合も初期投資が大きく転売等が困難な LNG プロジェクトの存立自体を危うくする。そのため、個別の LNG 契約で規定するある特定の原油価格を下回った、あるいは上回った場合に、この上下両端部では一般に適用されるより、原油へのリンク度合いが低い係数(緩やかな傾き)が用いられることが多い。その結果、LNG の価格曲線は S 字型のカーブを描く。実際には、1990 年代の原油価格低迷時に売主の庇い手として採用され、また 2000 年代以降の原油価格高騰時には買主の庇い手ともなることから、多くの LNG 契約で採用されているとされる。
なお、ある一定価格を下回ったあるいは上回った場合に LNG 価格を一定にするものをフロア・シーリングと呼んでいる。フロア・シーリング部分においては、原油など指標価格へのリンク度合いは 0(傾きは水平)となり、S 字カーブの両端部分における指標価格へのリンク度合い軽減を極限まで進めたものと言える。また、原油など指標価格の変動にかかわらず、LNG 価格が一定の価格に設定されている場合を固定価格と呼ぶ。固定価格は、LNG が指標価格に影響されるのではなく LNG 固有の価格を保有しているものとも解釈できるが、原油など指標価格が存在する場合のフロア・シーリングの考え方を、すべての原油価格帯に一律に当てはめたものとも解釈できる。

(徳原 透、2006 年 8 月)

図 LNG 価格算定の S 字曲線