ページ番号1002018 更新日 平成30年2月16日
- 英語表記
- Société Nationale Elf Aquitaine
- 略語
- SNEA
- 分野
- 企業
政府出資 67 %のフランスの国営企業である。
エルフ・グループとしても知られている。同社は、1976 年、100 %国営石油企業であった Elf/ERAP と政府参加の開発企業 SNPA を結合して設立された国際的に一貫操業を行う企業である。フランスにおける石油産業は、第一次世界大戦以来、強力な国家管理の下に置かれてきた。フランスは、1924 年に政府出資 35 %の CFP を設立して海外権益の確保を図ったが、その後も 1939 年には 100 %国営開発会社 RAP 、1941 年に政府および CFP 出資の半官半民開発会社 SNPA 、1945 年に政府機関の石油探査局 BRP を設立し、国家が直接石油開発事業に参加する方針をとったのである。1966 年、アルジェリアとの開発協定締結を機に、RAP と BRP を統合して、100 %政府出資の国営企業 Elf/ERAP を設立し、政府主導の開発事業遂行体制を整備した。その後、1971 年のアルジェリアによるフランス利権の国有化と 1973 年の第一次石油危機に直面し、新しい環境に対応するため、組織の合理化、採算管理重視の営業基盤の拡充を図ることになる。その結果、Elf/ERAP と SNPA の資産を統合して、ERAP が 67 %、民間資本が 33 %所有する SNEA の設立となった。現在の SNEA グループは、石油とガスの探鉱・開発・生産部門、石油精製・販売部門、石油化学部門の3部門に大別される。フランス以外の主な活動地域は、上流部門では北海、北アフリカ、西アフリカ、カナダ、米国、下流部門では EC 圏内、北米である。1981 年には、米国の Texas Gulf を 43 億ドルで買収して注目を浴びた。第二次石油危機以降、原油取扱量 25 百万トン/年前後、純益 35 億フラン前後を維持しており、これは全米石油企業ランキングで 10 位前後の企業の実績に匹敵する。国営企業のパフォーマンスとしては、良好の部類に属するといえよう。(→国営石油会社、TOTAL SA)