ページ番号1002032 更新日 平成30年2月16日

Vp/Vs比vp vsひ
英語表記
Vp/Vs ratio
分野
その他

Vp/Vs比とはP波速度とS波速度との比のことである。弾性定数の1つであるポアッソン比σは、Vp/Vs比で表すと、σ={(Vp/Vs)2-2}/{2(Vp/Vs)2-2}となる。
通常の堆積岩ではVp/Vs比とポアッソン比σは、ほぼ比例関係にあり、Vp/Vs比は1.6~2.2の範囲に収まる。
Vp/Vs比は砂岩から泥岩、あるいは砂岩から石灰岩へと変化するに従い増大することが知られており、堆積盆地の縁辺部や三角州地域における岩相の横方向への変化を調べるのに有効である。
また貯留岩の孔隙内にガスが存在するとP波速度は大きく減少するが、S波は流体中を伝播しないためS波速度はガスが存在してもあまり変化しない。この結果ガスの存在によりVp/Vs比およびポアッソン比σは異常に小さくなるため、顕著なAVO変化が見られることになる。
さらにVp/Vs比は孔隙率の増加につれ増大することも知られており、Vp/Vs比の変化から孔隙内充填物質の種類、あるいは孔隙率の変化を推定することができる。

(西木 司、2008 年 5月)