ページ番号1006483 更新日 平成30年3月5日

豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について― LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に ―

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レポートID 1006483
作成日 2012-09-20 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 天然ガス・LNG探鉱開発
著者
著者直接入力 丸山 裕章 Lainie Kelly
年度 2012
Vol 46
No 5
ページ数
抽出データ JOGMECシドニー事務所(所長)丸山 裕章JOGMECシドニー事務所Lainie Kelly豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について― LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に ―はじめに 豪州の石油ガス上流産業について、以下、現状と今後についてまとめた。 豪州は、石油の生産が2000年以降減退傾向を示してきた。一方で石油需要は資源エネルギー分野がんする好調な経済成長と人口増に伴い、年率1.3%の割合で伸びると予測されている。豪州は石炭資引い牽けん源等エネルギーリッチではあるが、こと石油に関しては日本などと同様に純輸入国である。 一方、ガス需要は人口増や電力需要を賄う年率3.4%の需要の伸びが予測されている。ガス資源は在来型、非在来型資源ともに豊富にあると言われており、国内需要を大幅に上回る生産を行っている。今後もガス液化(LNG)、輸出を中心に生産増が期待されている。 豪州はOECD加盟国中でも数少ないガス純輸出国である。2012年5月に開催された豪州石油探鉱生産協会(APPEA)総会で、連邦政府のファーガソン資源エネルギー大臣は「経済的開発可能なガス資源量は約392tcfある。この量は、最近の年間生産量から計算すると約184年分になる」と挨拶した。シェールガス等の非在来型資源は、2011年3月に米国エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が数百tcfあるとしているが、豪州政府はまだ推定資源量とのみ認識している。このように、各州準州が原則管轄する非在来型資源の探鉱開発はまだ探鉱が始まった初期段階にある。しかし2013年頃にはシェールガスの生産も始まり2020年頃までには本格的生産が期待されている。この頃までには、経済的開発可能なガス資源量も倍増するのでは、と期待されている。 豪州はこのようにガス資源が豊富にあり、また輸出余力も十分にあることからLNG事業展開が活発である。2012年現在、約2,430万トン/年の生産能力が、2016/2017年度には約6,300万トン/年と約3倍になると豪州政府も予測している。更に2010年代後半にはカタールの総生産施設容量を抜いて、世界一のLNG輸出国になることが期待されている。 また、資源ブームが言われ、石炭、鉄鉱石等の開発も盛んに行われている。しかし、LNGプラントの建設と併せ、数万人の技能労働者(電気工、溶接工など)の不足、労働者確保問題もあり高賃金化が進行、2012年7月から施行された二酸化炭素税の導入によるエネルギー価格への影響などが懸念材料としてある。結果としてLNG事業に対して、投資コストの増加、プロジェクトの完工遅延、経済性の悪化なども懸念されている。また同じ時期に施行された鉱物資源利用税(MRRT:石炭および鉄鉱石事業会社に課せられる)の導入に伴う石油資源利用税(PRRT:従来は沖合の石油ガス生産事業のみに課税されていた)の陸上ガス生産事業への適用拡大などの政策が、他のLNG輸出国との比較において価格競争力を削されていることも事実である。ぐのではと危そ惧ぐき13石油・天然ガスレビューアナリシスP. 資源エネルギー産業の概要資源・エネルギーは重要な輸出産業 豪州資源エネルギー経済局(BREE)によれば、2010~2011年度の豪州の資源エネルギー分野の活動は、国内総生産の約7%を占める。資源エネルギー分野の国内総生産額は、2011~2012年度で約1,007億豪ドル。また、2010~2011年度の資源エネルギーの輸出総額は1,792億豪ドルで、総輸出額の約85%を占めている。図1は2010~2011年度の主な資源エネルギーの輸出額で、鉄鉱石603億豪ドル(2016~2017年度まで年率4.1%を予想)、石炭(一般炭と原料炭)約452億豪ドル(原料炭は同年率4.5%の伸び)、石油は約122億豪ドル(同6.8%のマイナスの伸び)、LNGは約108億豪ドル(同16.6%の伸び)、ウラニウムは約6億豪ドル(同17.8%の伸び)となっている。石油を除く資源・エネルギーは今後も高い輸出成長が期待されている。 これら資源エネルギーの輸出先は、2010~2011年2. 探鉱・開発事業の概要(1)探鉱ライセンス等の管轄について 豪州では連邦政府が3海里以遠と200海里までの経済的排他領域(EEZ)までを所管する。この海域部の探鉱・生産等ライセンスなどの付与、鉱区管理を行う。規制する法律はOffshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage Act 2006(通称:OPGGSA 2006)である。連邦政府は毎年のAPPEA総会時に約30前後の沖合探鉱エリアを公開している。応札は探鉱事業計画書を提出するもので、金額による入札方式ではない。外国企業も応札参加等は自由であるが、外国企業の応札には、原則財務省傘下の外国資本審査委員会(FIRB)が豪州の国益にかなうか否かの判断基準で審査を行う。探鉱事業計画書では、その企業の探鉱実績、技術力、資源評価能力および資金能力などが審査される。 また各州・準州が陸上部と3海里沖合までの石油ガス探鉱・生産・開発ライセンスの付与管理を行う。規制する法律は例えばクイーンズランド州では、Petroleum and Gas (Production and Safety) Act 2004である。各州の入札も基本は探鉱事業計画書の提出により技術力、資金能力などを審査され探鉱ライセンス等を付与し、管90,00080,00070,00060,00050,00040,00030,00020,00010,0000百万豪ドル2010?2011年度2016?2017年度石油ガス(LNG) 一般炭原料炭ウラニウム鉄鉱石出所:BREEデータを筆者がグラフ化図1主な資源エネルギーの輸出額と推移予測度は中国(26%)、日本(19%)、韓国(9%)、米国(4%)となっている。理する。 表1に連邦および各州の石油ガス探鉱開発事業のライセンス付与等の基本法令一覧を示す。(2)探鉱活動の概要 図2、図3は、APPEAが公表している1984~2010年の試掘の総掘削長および地震探査の側線長、また2000~2010年の陸上と沖合の探鉱経費の推移傾向である。これによれば、1980年代から1990年代後半までは陸上での探鉱活動が活発であったが、その後は沖合での探鉱活動が活発になり、現在までその傾向が続いている。陸上部でも2006年以降コールシームガス(CSG)の開発に伴い探鉱掘削長などの増加傾向が見られる。 図3は探鉱経費の推移を示している。沖合の探鉱経費は陸上部の数倍を要する。2010年は陸上部の約3倍強の約28億豪ドル(約2,300億円)を要している。1990年代後半までの沖合探鉱作業は、現在の沖合天然ガス田(多くはLNG用)の発見をもたらしたものと推定される。142012.9 Vol.46 No.5アナリシス\1石油探鉱開発を規制する法令の一覧連邦政府/各州法令名備考Offshore(沖合)連邦政府の沖合西豪州の沖合Offshore Petroleum and Greenhouse Gas Storage Act 2006 (OPGGSA)Western Australia-Petroleum (Submerged Lands) Act 1982陸上から3海里以遠と200海里までの排他的経済水域以内陸上部と3海里沿岸部NSW州Petroleum (Onshore) Act 1991陸上部と3海里以内ビクトリア州Petroleum Act 1998 陸上部と3海里以内タスマニア州Mineral Resources Development Act 1995陸上部と3海里以内Onshore(陸上)北部準州Petroleum Act陸上部と3海里以内南オーストラリア州Petroleum and Geothermal Energy Act 2000陸上部と3海里以内クイーンズランド州西豪州Petroleum and Gas (Production and Safety) Act 2004Petroleum and Geothermal Energy Resources Act 1967陸上部と3海里以内陸上部と3海里以内出所:各種資料より筆者作成12010080$US6040200年Exploration Expenditure & Oil PriceOnshoreOffshoreBrent Oil Price200020012002200320042005200620072008200920103,5003,0002,5002,0001,500$ million1,0005000Australian Exploration Wells Spudded & Metres DrilledMetres Drilled(1,000)450400350300250200150100500年Wells Spudded OnshoreWells Spudded OffshoreMetres Drilled OnshoreMetres Drilled Offshore201020092008200720062005200420032002200120001999199819971996199519941993199219911990198919881987198619851984300250200150100500Wells Spudded出所:APPEA資料出所:APPEA資料図2探鉱井の掘削数と総延長の推移図3原油価格と陸上および沖合の探鉱経費の推移3. 石油とガスの生産状況概要 表2は、2011年の堆積盆別石油ガスの生産量を示す。2011年の生産量は約4億8,800万バレル(原油換算)。このうち約14%が陸上部の堆積盆から生産された。陸上部では最も生産量が多いのがSurat-Bowen堆積盆(クイーンズランド州)の非在来型ガスとしてのCSGが、またCooper堆積盆(南オーストラリア州およびクイーンズランド州)では在来型の軽質の原油、天然ガス等の生産15石油・天然ガスレビューを行っている。 沖合の石油生産は西豪州と北部準州、ビクトリア州の沖合で行われ、天然ガスとガス随伴のコンデンセート、LPGである。現在ガスの生産が盛んなCarnarvon堆積盆(西豪州沖合)での随伴コンデンセートとGippsland堆積盆(ビクトリア州沖合)のガスと原油生産量が多い。豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-\22011年主要堆積盆別の石油・ガスの生産量(原油換算)陸上AmadeusCooperGunnedahPerth*OtwaySydneySurat-Bowen陸上:合計総合計千バレル42227,07411673710496439,99769,414(14%)沖合BonaparteCarnarvonGippslandPerthOtwayBass千バレル9,938315,01370,4401,27718,2733,774沖合:合計418,715(86%)4億8,800万バレル(原油換算)※いくつかの堆積盆では陸上部、沖合部ともに生産出所:Energy Quest資料より16経済的、開発可能資源量(EDR)準経済的開発可能資源量(SDR)として約27億5,000万バレルのコンデンセート、14億3,100万バレルの原油と14億7,500万バレルのLPGが賦存している。これら資源量は、世界の石油資源の約0.3%(第27位)を占めると言われている(図6、図7)。 石油資源はこのほかにシェールオイルも期待されている。豪州地質調査所は、シェールオイルについてはまだ経済的開発可能資源とは見ていないが、約220億バレルを推定資源量としている。Australian Crude Oil, Condensate & LPG ProductionAustralian Crude Oil, Condensate & LPG ProductionCrudeCondensateLPG20002001200220032004200520062007200820092010年350300250200150100500million barrels出所:APPEA資料(1)生産実績 石油の生産は2000年を境に原油・コンデンセートとLPGの総生産量が減退を始めている。 今後は沖合ガス田生産開始や新規ガス田からの随伴コンデンセートの増産が期待されているが、全体の傾向としては減退方向にあると言われている(図4)。(2)主要堆積盆別石油生産 表3は2011年の主要堆積盆別の石油、LPG、コンデンセートの生産量を示す。石油の総生産量は1億5,700万バレル(原油換算)で、陸上部からの生産は約6%。沖合からの生産量は94%を占める。石油生産の大半は原油およびガス随伴コンデンセートとして生産されている。(3)生産地域 石油資源は、現状は沖合での生産が中心である。生産の中心は西豪州の沖合のCarnarvon堆積盆、Browse堆積盆とBonaparte堆積盆になっている。ほかに、ビクトリア州沖合のGippsland堆積盆でも生産が行われている。また陸上部のCooper堆積盆でも原油の生産が行われている(図5)。(4)資源量 石油資源量は、2010年の豪州地質調査所の推定では図4原油・コンデンセート・LPGの生産推移4. 石油(原油・コンデンセート・LPG)の生産量・資源量等の現状と生産予測2012.9 Vol.46 No.5アナリシス\32011年主要堆積盆別の陸上と沖合の原油・コンデンセート・LPGの生産量(原油換算)陸上:石油AmadeusCooperSurat-Bowen千バレル1586,204111小計( )内は陸上・沖合の割合6,473(7.0%)陸上:LPGCooperSurat-Bowen千トン2045沖合:石油BonaparteCarnarvonGippslandPerth沖合:LPGBonaparteCarnarvonOtwayGippslandBass千バレル2,90168,65812,7071,28485,550(93.0%)千トン668985176741小計( )内は陸上・沖合の割合209(10.3%)1,823(89.7%)陸上:コンデンセートAmadeusCooperSurat-Bowen千バレル341,62928沖合:コンデンセートBonaparteCarnarvonGippslandBassOtwayPerth千バレル1,13340,0386,8345725692小計( )内は陸上・沖合の割合1,691(3.3%)49,148(96.7%)陸上:合計豪州:合計出所:Energy Quest資料より980万バレル[6%]沖合:合計1億4,720万バレル[94%]1億5,700万バレル130°140°150°120°BONAPARTE BASINTotal produced: 3364Crude oil remaining: 1205Condensate remaining: 2799LPG remaining: 1193BROWSE BASINTotal produced: 0Crude oil remaining: 82Condensate remaining: 6286LPG remaining: 1391DARWINCANNING BASINTotal produced: 18Crude oil remaining: 00750kmBRISBANEBOWEN/SURAT BASINSTotal produced: 289Crude oil remaining: 41Condensate remaining: 12LPG remaining: 1010°20°30°CARNARVON BASINTotal produced: 13 357Crude oil remaining: 4839Condensate remaining: 5892LPG remaining: 2603AMADEUS BASINTotal produced: 112Crude oil remaining: 24Condensate remaining: 12LPG remaining: 0.8COOPER/EROMANGA BASINSTotal produced: 2856Crude oil remaining: 370Condensate remaining: 88LPG remaining: 125PERTH BASINTotal produced: 143Crude oil remaining: 76Condensate remaining: 0.2PERTHADELAIDESYDNEYLiquid hydrocarbon (Crude Oil, Condensate& LPG) resources in PJMELBOURNEPast productionCrude oil resourcesCondensate resourcesLPG resourcesPetroleum basinOTWAY BASINTotal produced: 11Condensate remaining: 82Gas pipelineGas pipeline(proposed)Oil pipelineBASS BASINTotal produced: 16Crude oil remaining: 76Condensate remaining: 247LPG remaining: 241HOBART40°GIPPSLAND BASINTotal produced: 25 536Crude oil remaining: 1699Condensate remaining: 753LPG remaining: 646AERA 3.22出所:Australian Energy Resource Assessment (2010年3月)より図5原油・コンデンセート・LPGの主な生産地域17石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-i5)生産、需要予測 今後の石油の生産需要予測は、国内消費量が資源開発ブームにより大型重機や人口増による自動車用燃料の軽油等の需要が高まることや、国内製油所の老朽化による閉鎖などから国内供給が減る傾向にあるため、需要増を輸入に頼る傾向が大きくなる。 図8は、消費量は増加傾向にあるが、国内生産量は低減する傾向を示している。mmbbl6180283153421,096033000493791,475PJ2,60201,1916441764,61301,389002091,5976,210mmbbl928673385107432,136743969121326142,750PJ4,405PJ12,4643,9574,1312,62694524,1238683,7971,0634704736,67130,794CarnarvonBrowseBonaparteGippslandOtherEDR0EDR676EDR1,353EDR516EDR6,950Total EDR 434SDR82SDR529SDR348SDR71SDR1,464Total SDR8,414Total EDR + SDR※EDR=economic demonstrated resources  SDR=subeconomic demonstrated resources出所:Australian Energy Resource Assessment (2010年3月)CarnarvonBrowseBonaparteGippslandOthermmbbl7490115230881,18274149059122491,431PJ5,4573,9572,26462925312,5604342,3275341221933,61016,170Table 3.9 McKelvey Class.BasinTotal energyCrude OilCondensateLPG図6主要堆積盆別石油資源量Increased breakevenprice requiredIncreased technologyrequirements8,414 PJ(~1,400 mmbbls)Crude oil22,380 PJ(~2,700 mmbbls condensate,1,500 mmbbls LPG)Smaller volumes,easy to developLargervolumes,difficult todevelop131,600 PJ (~22,000 mmbbls)Contingent and inferred resource Shale Oil6,468 PJ1,100 mmbbls(estimate of scope for EOR in discovered fields)400350300250200150100500百万バレル生産量輸出量消費量2010?20112011?20122012?20132013?20142014?20152015?20162016?2017年出所:BREE資料を基に筆者がグラフ化図8石油の生産・輸出・消費量の予測出所:Australian Energy Resource Assessment (2010年3月)図7石油・コンデンセート・LPGの資源量5. ガスの生産量・資源量等の現状と生産予測(1)生産実績 ガスの生産は、1989年に北西大陸棚LNGプロジェクトが初めて豪州からのLNGの出荷を行った。以降順調に生産量を伸ばしている。2010~2011年度ではLNG932bcf、国内消費ガス791bcfおよびCSG222bcfの合計1.945tcfの生産量があった。LNG用の932bcfは、北西182012.9 Vol.46 No.5アナリシス\42011年主要堆積盆別のガス生産量(PJ:ペタジュール)沖合:国内向けBonaparteCarnarvonGippslandPerthOtwayBass小計沖合:LNG用NWSBayu/Undan*4PlutoGorgonWheatstoneIchthysPrelude小計沖合:合計1,977.3PJ2011年19.5340.6250.7-100.727.0*2738.5PJ2011年879.512.8-(2012年以降)-(2014年以降)-(2016年以降)-(2016年以降)-(2016年以降)892.3PJ1,630.8PJ(82.5%)主要ガス生産企業との間で15%の国内向けの供給契約を結んでいる。Australian Gas ProductionAustralian Gas ProductionLNGConventional gasCSG20002001200220032004200520062007200820092010年2,0001,8001,6001,4001,2001,0008006004002000billion cubic feet出所:APPEA統計図9天然ガス・LNG・CSGの生産量実績陸上:国内向けAmadeusCooperGunnedahPerthOtwaySydneySurat-Bowen小計*1:10.8PJのエタンガスも含む*2:10.2PJのエタンガスも含む2011年1.3102.5*10.74.20.65.6231.6346.5PJ陸上:LNG用*32011年QCLNGGLNGAPLNGArrow LNG-(2014年以降)-(2015年以降)-(2015年以降)-(2017年以降)小計陸上:合計ガス総生産量-346.5PJ(17.5%)*3:陸上のLNG用のガスの生産は2014年以降になる*4:Bayu/Undanガス田は豪州の取り分のみ出所:Energy Quest大陸棚とダーウィンの液化施設のLNG(図9)。2005年からはSurat堆積盆等でCSGの生産が開始された。CSGは現在は東側州(クイーンズランド州やNSW州)の発電、都市ガス、工業用材料、交通用燃料(圧縮天然ガス車)などに利用されている。2010年のCSGは、ガス総生産量の約11%を占めている。(2)主要堆積盆別ガス生産 表4に2011年の主要堆積盆別ガスの生産量を示す。2011年の生産量は、陸上部が約18%を占め、うちクイーンズランド州のSurat-Bowen堆積盆のCSGとCooper堆積盆の在来型ガス(一部エタンガスも含む)が大半を占めている。ガスの生産は沖合が大半を占め約82%となっている。西豪州の北西大陸棚のLNG用のガス生産が主であるが、西豪州ではほぼ同じ量のガスが国内消費向け(主として電力用)として供給されている。西豪州政府は、19石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-10°120°130°140°150°BONAPARTE BASINConventional Gas Produced: 1020Conventional Gas Remaining: 22 100BROWSE BASINConventional Gas Produced: 0Conventional Gas Remaining: 35 400DARWINCARNARVON BASINConventional Gas Produced: 16 990Conventional Gas Remaining: 101 500CANNING BASINConventional Gas Produced: 0Conventional Gas Remaining: <10AMADEUS BASINConventional Gas Produced: 432Conventional Gas Remaining: 300ADAVALE BASINConventional Gas Produced: 9Conventional Gas Remaining: <500750km10°BOWEN BASINConventional Gas Produced: 711Conventional Gas Remaining: 500CSG Produced: 693CSG Remaining: 8330SURAT BASINConventional Gas Produced: 290Conventional Gas Remaining: <50CSG Produced: 309CSG Remaining: 24 67120°COOPER/EROMANGA/WARBURTON BASINSConventional Gas Produced: 6791Conventional Gas Remaining: 1200BRISBANEPERTH BASINConventional Gas Produced: 719Conventional Gas Remaining: 200PERTHGUNNEDAH BASINConventional Gas Produced: 2Conventional Gas Remaining: <50CSG Produced: 0CSG Remaining: 1520ADELAIDEMELBOURNECLARENCE-MORETON BASINConventional Gas Produced: 0Conventional Gas Remaining: 100CSG Produced: 0CSG Remaining: 428GLOUCESTER BASINCSG Produced: 0CSG Remaining: 66930°SYDNEYSYDNEY BASINCSG Produced: 30CSG Remaining: 287Gas resources (in PJ)Conventional gasresourcesCoal seam gasresourcesPast productionOTWAY BASINConventional Gas Produced: 726Conventional Gas Remaining: 1600Gas basinGas pipelineGas pipeline (proposed)LNG processing plant (operating)LNG processing plant (committed)GIPPSLAND BASINConventional Gas Produced: 8791Conventional Gas Remaining: 9300BASS BASINConventional Gas Produced: 79Conventional Gas Remaining: 800HOBART40°12-613-1出所:Australian Gas Resource Asessment(2012年)図10天然ガス・CSGの生産・賦存地域PJPJ--Conventional Gastcf3360111203tcf10354?10167Coal Seam GasPJTight Gastcf--35,90565,529122,020223,454113,40059,600?11,000184,000Resources CategoryEDRSDRInferredAll identifiedresourcesPotential in ground resourcesResourcesidentified, potential and undiscovered1tcf=1100PJで換算。出所:Australian Gas Resource Asessment(2012年)データより筆者作成unknownunknown258,888184,000258,88822,05223522,0522016720235unknownunknownPJ-Shale Gastcf-2-22,200-2,200PJTotal Gastcf136116141392149,305127,329155,072431,705435,600396694,488631435,600396900,540819図11豪州のガス資源量120°130°140°150°DARWIN0750km10°BOWEN BASINCoal seam gas 8330SURAT BASINCoal seam gas 24 67120°30°BRISBANECLARENCE-MORETON BASINCoal seam gas 428GUNNEDAH BASINCoal seam gas 1520GLOUCESTER BASINCoal seam gas 669SYDNEY BASINCoal seam gas 28740°12-6139-19PERTHADELAIDECoal seam gasCoal seam gas EDRas at 2010 in PJCoal seam gas basinGas pipelineGas pipeline (proposed)CSG-LNG processing plant(under construction)SYDNEYMELBOURNEHOBART出所:Australian Gas Resource Asessment(2012年)図12CSGの賦存地域202012.9 Vol.46 No.5アナリシスanning Basin (181,000 mi2)Kockatea FmGoldwyer FmLower TriassicM. Ordovician2,1802,30023010,000Normal5.6%1.30%Low1101003048,1001,30025012,000Normal3.0%1.40%Low1067642292,18095025010,700Normal4.0%1.40%Low1079829Goodwood/Cherwell MudstoneCarynginia ShaleUpper PermianCretaceousShale FormationGeologic AgeProspective Area (mi2)IntervalOrganically RichNet IntervalAverageThickness (ft)Depth (ft)Roseneath-Epsilon-MurtereePermian5,8100 ? 1,8005003006,000?13,0008,5001,5551,2502509,500300 ?3,000300 ? 1,500300?3,000300 ?2,4145,000?16,5004,000 ? 16,5003,300 ? 16,5003,300 ?16,500Basic DataPhysical Extent出所:EIA図13シェールガス堆積盆位置Basin/Gross AreaCooper Basin (46,900 mi2)Maryborough Basin (4,290 mi2)Perth Basin (12,560 mi2)図14堆積盆別非在来型ガス資源量Moderately Overpressured2.5%2.00%Low10534285Slightly Overpressured2.0%1.50%Low1107723Reservoir PressureAverage TOC (wt. %)Thermal Maturity (%Ro)Clay ContentGIP Concentration (Bcf/mi2)Risked GIP (Tcf)Risked Recoverable (Tcf)PropertiesReservoir Resource出所:EIA(3)生産地域 天然ガスの生産地域は、現時点では西豪州とビクトリア州の沖合に偏在している。西豪州のCarnarvon堆積盆では、北西大陸棚でLNG用のガスおよび国内向けガスの生産が行われている。またビクトリア州沖合のGippsland堆積盆でも国内向けガスが生産されている。 陸上部のCooper堆積盆では、都市ガスや発電用のガス生産が行われている。 今後、沖合のGorgon、Prelude、Wheatstone、IchthysなどのLNG事業用天然ガス田からの生産が、2014年以降盛んになる。 またCSGはクイーンズランド州のSuratとBowen堆積盆での生産が2014年以降本格化し、LNGとして輸出される予定(図10)。(4)資源量①全体のガス資源量 2012年5月14日付で連邦政府が発表したガス資源量は、図11のとおり。 経済的(EDR)または準経済的(SDR)に開発可能な資21石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-ケ量を約392tcfとしている。内訳は、在来型ガス167tcf、CSG203tcf、タイトガス20tcf、シェールガス2tcf。シェールガスの2tcfは、SDRに分類され昨年Beach EnergyがCooper堆積盆で行った試験生産量をブッキングした数字。 これらの数字からは、2010~2011年度約1.95tcfの生産量で割ると、冒頭に紹介したような約184年分の可採資源量がある。このほかに今後の探鉱開発を経て可能性のあるガス推定資源量は約631tcfと見ている。この数字は、探鉱初期段階のシェールガス、タイトガスなどの非在来型資源が含まれている。②CSGの資源量(全体ガス資源量の内数) 陸上の非在来型ガス資源のうち、CSGについては203tcfの可採資源量が確認されている(図11)。203tcfは上述の392tcfの内数。図12ではCSGが賦存する地域を示す。石炭層が豊富にあるクイーンズランド州のSurat堆積盆、Bowen堆積盆での賦存量が多い。これらの堆積盆ではグラッドストン市のCurtis島での液化施設の完成に合わせ2014年頃からLNGの初出荷を行うために、現在探鉱、生産井の掘削が盛んに行われている。 なお、ニューサウスウェールズ(NSW)州のSydney堆積盆やGunnedah堆積盆などでは探鉱、本格的な開発はNSW州の規制等が成立するのを待っている状態である。③シェールガス等の非在来型資源量について 2011年4月にEIAは、世界のシェールガスの埋蔵量を公表した。このなかで豪州には図13、あるいは図14に示すように、約396tcfの技術的回収可能量があると公表された。 この数字について、西豪州政府の石油部長は、“よい9,0008,0007,0006,0005,0004,0003,0002,0001,0000ペタジュールLNG輸出国内消費2008/20092019/20202034/2035年出所:BREE資料より筆者作成図15ガス生産量・LNG輸出量・国内消費量予測推定”であるとの見方を2011年9月にパースで開催されたLNG会議の場で発言している。西豪州政府は、シェールガス等について今後の探鉱・開発に向け例えば掘削リグの移動費の補助、ロイヤルティーの免除などいくつかのインセンティブを準備して、これらの資源開発を推進していくと発表している。 豪州地質調査所は、2012年5月時点では、これらのシェールガス等については探鉱がまだ初期段階であることから経済的開発可能な資源としては認識していない。④生産予測 図15のとおり。2014/2015年度以降、豪州では、4番目となるLNG事業が順次生産、輸出を開始することからガス生産量は飛躍的に伸びていく。 2016/2017年度にはLNG生産量は現在の約3倍以上の約6,300万トン/年になる。国内ガス需要も電力等需要増に応じ伸びるが、輸出量の伸びが国内需要を大幅に上回る見通し。6. LNG事業の現状と今後について 豪州の石油ガス産業で今最も活発な動きを見せているのは、LNG事業である。現在三つの生産中LNGプロジェクトに加え、2009年以降にFID(最終投資決定)を行った7プロジェクトが建設中である。LNG市場が拡大したのは2008年のリーマンショック以降、経済が回復した2010年に入ってからである。併せてマレーシアなどの輸出余力が衰えることから新規の調達市場が必要になったことなどにより、これら七つのうち六つは2010年10月以降2012年1月までの間に新たにFIDを行った。 現在、豪州はLNG輸出量世界第4位から、2010年代後半にはカタールを抜いて世界一になるべくチャレンジを行っている。図16に生産中、建設中および計画中のLNGプロジェクトの位置図を示す。在来型のLNG事業に加え、非在来型ガスのCSGをガスソースとし、液化を行う事業や、これも世界初となる浮体式LNG事業も建設が進んでいる。222012.9 Vol.46 No.5アナリシス@いずれも数兆円規模の投資が必要なプロジェクトで、建設期間中の雇用、経済効果などが期待されている。操業段階でもLNG輸出総額の増加、安定した労働力確保という経済効果が期待される。 ガス市場は、日本をはじめ主要輸入国は2008年のリーマンショック以降の世界金融危機、経済低迷を受け2009年には一時的に輸入量が減少に転じた。その後、アジア諸国経済の回復に伴い輸入増に転じていた。日本は2011年3月の東日本大震災を受け、津波による福島原子力発電所の稼働停止などの原子力による発電量減少を補うためにLNG輸入量を拡大した。2010年度に約7,000万トン/年に回復したLNG輸入量は、2011年度は約8,300万トン/年に急増した。豪州のLNG輸出先は、2010年は輸出量の約70%が日本向けになっているなどアジア向けが主である。二酸化炭素(CO2) 削減効果の高い天然ガスの利用は、中・長期的にも日本、韓国、台湾などの伝統的な市場に加え、中国、インド、アジア諸国(シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピンなど)、中東諸国も今後輸入量が増え新規輸入先になる可能性もある。(1)LNG生産中のプロジェクト 豪州のLNG輸出は、1989年の北西大陸棚のLNG事業が最初である。西豪州のカラッサ市近郊にLNG液化施設が設置されている(写1)。ガスソースは西豪州沖合のCarnarvon堆積盆のガス田である。LNG輸出に先立つ1984年には国内向けのガスの出荷も行っている。沖出所:各種資料から筆者作成図16LNGプロジェクトの生産・建設と計画の位置出所:筆者撮影(2012年6月)写1北西大陸棚LNG基地の遠景出所:ConocoPhillips ホームページ出所:筆者撮影(2012年6月)写2Darwin LNG基地の遠景写3Pluto LNG基地の遠景23石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-\5生産中の3LNGプロジェクト一覧LNG プロジェクト権益保有企業*オペレーター生産能力(百万トン/年)備考西豪州北西大陸棚Woodside*、BP、Chevron、BHP Petroleum、Shell、Japan AustraliaLNG(MIMI)、CNOOCDarwinPlutoConocoPhillips*、Eni、Santos、INPEX、Tokyo Timor Sea ResourcesWoodside*、東京ガス、関西電力16.33.74.31989年に2トレンで初出荷2008年には5トレインに拡張済み1トレイン2006年に初出荷1トレイン。2007年FID。2012年5月初出荷。プルート 2以降未定出所:各社ホームページより筆者作成表6建設中のLNGプロジェクト一覧プロジェクト権益保有企業*オペレーター計画生産能力(百万トン/年)備考(LNG生産時期は予定)GorgonChevron*、ExxonMobil、Shell、大阪ガス、東京ガス、中部電力15.62009年FID。LNG生産2014年。拡大計画(25百万トン/年)QGC*、CNOOC、東京ガス8.5(最大12.75)FID 2010年10月。LNG生産2014年Santos*、Petronas、Total、Kogas7.8(最大11.7)FID 2011年1月。LNG 生産2015年Shell*、INPEX、Kogas3.6FID 2011年5月。世界初のフローティングLNG。LNG生産2017年QCLNG(CSG-LNG)GLNG(CSG-LNG)Prelude(FLNG)APLNG(CSG-LNG)Origin Energy、ConocoPhillips9.0(最大18.0)WheatstoneChevron*、Apache、Kufpec、Shell、九州電力、PE Wheatstone(PEW)*IchthysINPEX*、Total、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス8.98.4(注)PE Wheatstone(PEW)は、東京電力、JOGMEC、三菱商事および日本郵船の共同出資会社出所:各社ホームページなどより筆者作成FID 2011年7月。2トレインFID 2012年7月。LNG生産 2015年 FID 2011年9月。LNG生産2016年FID 2012年1月。LNG生産2016年末合からの天然ガスがLNG基地内にある施設で処理(コンデンセートとの分離など)されて、更に国内向けガスラインに接続されている。 2006年にはダーウィンLNG事業が2番目のLNG生産、出荷を始めた(写2)。 更に2012年4月からPluto(写3)が生産を開始し、既に日本向けも含め出荷を行っている。  現在この三つのLNGプラントで年間約2,430万トン(2012~2013年度)の生産能力がある。 LNG生産中のプロジェクトの概要は表5のとおり。(2)建設中のLNGプロジェクト 表6には2012年7月現在建設中の七つの大型LNGプロジェクトの一覧を示す。 これらには、天然ガスをフィードガスとする在来型のほかにCSGをフィードガスとするLNGプロジェクトも含まれる。また世界初の浮体式LNG生産貯蔵出荷施設方式(FLNG)プロジェクトも含まれる。これらのプロジェクトについての概要は後述する。(3)建設中の7プロジェクトの概要a.ゴーゴン(Gorgon) 本プロジェクトはグレーターゴーゴンプロジェクトとも呼ばれている。主要ガス田は西オーストラリア州242012.9 Vol.46 No.5アナリシスo所:Shellホームページ写4FLNGの全体概念図半面、サイクロン等の厳しい気象・海象条件への対応は考慮を要する。Shellは、FLNG自体は世界初の試みではあるが、使用する各部や施設は既存技術として信頼性が既に証明、確立されたものであると説明している。 LNGの販売先は、大阪ガスが年間80万トンを25年間購入する仮契約を締結したと言われている。また、NexusとShell、大阪ガスとの間でCruxガス田開発に関し合意し、このガス田からのガスを本プロジェクトに供給する計画もある。c.ウィートストン(Wheatstone) 主なガス田は、西豪州沖合約145kmに位置するCarnarvon堆積盆内のWheatstoneガス田(WA-17-R鉱区)と約130kmに位置するIago(WA-17-R、WA-16-R鉱区)である(図17、図18)。これらのガス資源量は4.5tcfと見込まれている。2トレインで890万トン/年のLNG生産と、国内向けガスとして約190mmcf/日のガス供給も行う。約200kmの海底ガスラインで西豪州北西部のOnslow町の西約12kmのAshburton Northに設置するLNG液化プラントへのガス供給を行う。 2011年9月にFID、2016年のLNG初出荷を目指し建設中。オペレーターのChevronはApache EnergyおよびKufpecとの間でJulimar、Brunelloの両ガス田からのガス供給契約を締結済みで、この両社は前述の2ガス田の権益をそれぞれ13%、71%を取得済み。そのほかはShellが6.4%保有。 LNGの供給先は、東京電力との間で年間310万トン、20年間の売買契約を締結済み。東京電力が仮契約を行っていた権益については、2012年6月に東京電力、JOGMEC、三菱商事、日本郵船が出資するPan Pacific Energyの子会社であるPE Wheatstone(PEW)を通じ、上流権益を10%、液化施設8%の権益を確保することが公表された。これに合わせて東京電力はLNGを年間(WA)沖合130~200kmの北西大陸棚に位置する。ガス埋蔵量は約40tcfと言われている。開発計画は、LNGプラントをBarrow島に建設し、3トレインで各520万トン/年の計1,560万トン/年のLNGを生産予定。またオーストラリア国内向けに約280mmcf/日の天然ガスを供給する施設も造る。更に天然ガス中に含まれる約14%前後のCO2を回収し安全に貯留する二酸化炭素回収貯蔵(Carbon Capture and Storage〈CCS〉)事業も展開する。 既に2009年にはLNG供給先との売買契約を締結し、FIDを行った。2014年のLNG初出荷を目指している。プロジェクト寿命は40年としている。開発コストは、約370億豪ドルと見込まれている。このコストは2003年当時には約110億豪ドルと見込まれていた。2012年は4トレインを追加するためのFEEDを行う予定。 権益は、Chevron 47.3%、ExxonMobil 25.0%、Shell 25.0%、大阪ガス 1.25%、東京ガス 1.0%、中部電力 0.417%。 LNGの長期購入社には、東京ガス、大阪ガス、中部電力、JX日鉱日石エネルギー、九州電力などの日本企業のほか、Kogas(韓国)、PetroChina(中国)、LNG Costa Azul(メキシコ)とPetronet LNG(インド)などの名前が挙がっている。豪州からインド向けのLNGはGorgonが最初である。ふつ設せb.プレリュード(Prelude) Shellが主導、開発を進める浮体式LNGプロジェクト。2011年5月にFIDを行い、2016年頃の生産、出荷が目標。世界初の浮体式LNG生産貯蔵出荷施設方式(FLNG)としてLNG業界の注目を集めている。 FLNG船の大きさは、60万載貨重量トン、全長約490m、幅74mで、水深約250mの沖合に係留される。写4はShellのホームページより引用したFLNG船のイメージ。この船体上部に年間360万トンの生産能力の液化プラント、海底パイプラインにより集荷されたガスの前処理施設、コンデンセートや液化石油ガス(LPG)の分離、これらを一時貯蔵するタンク施設、製品の出荷施設、作業員の居住施設などを擁する。年間360万トンのLNG、130万トンのコンデンセートと40万トンのLPGを生産、一時貯蔵、出荷を行う。 ガスフィードは西豪州沖合のBrowse堆積盆中のPreludeガス田などで、ガス資源量は約3tcfと言われている。総投資額が約100億豪ドルと言われ、比較的小規模なガス田でも経済的に開発移行ができると言われてい、る。陸上の液化施設までの長距離海底パイプライン敷液化施設用地取得の必要がないなどのメリットがある。25石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-o所:Chevronホームページ出所:Chevronホームページ図17Wheatstone LNG事業の全体図図18Wheatstone 液化プラントの完成予想図420万トンまで購入することとした。九州電力も年間80万トン、20年間の売買契約を締結済み。九州電力も上流権益1.83%、下流権益1.46%を取得(仮契約)。韓国のKogasが年間195万トン、20年間のLNG購入仮契約を締結済み。 上流権益は、PEW(10%)、九州電力(1.83%)のほかは、Chevron 80.17%、Shell 8.0%。 次の3プロジェクトはCSG-LNGプロジェクト。フィードガスは非在来型ガスでCSG。なおCSGはメタン成分がほほ100%に近いことから、天然ガスに比較し燃焼カロリーが若干低いとされている。また石炭層内メタンガスは地下水圧により吸着しているため、CSG産出に伴い随伴地下水も大量に産出される。このためCSGの生産現場近辺には大規模な水処理施設の設置が必要である。出所:筆者撮影(2011年11月)写5CSG生産井の例(クイーンズランド州ダルビー市郊外)d.クイーンズランド・カーティス (QueenslandCurtisLNG)(QCLNG) BGグループの子会社であるQGCはクイーンズランド州ブリスベン市から西の内陸部に位置するSurat堆積盆を中心にした複数の鉱区に約10.419tcf(2Pベース)のCSG埋蔵量を保有。これらの石炭層ガス田からのCSGをグラッドストン市のCurtis島まで約400kmのパイプラインを新設し、同島に設置する液化プラントでLNGを生産するもの(写5)。 QCLNGプロジェクトでは20年にわたって最大約1,200万トン/年のLNG供給能力があり、当初は850万トン/年、2トレインでの供給を目指す。 2010年10月にFIDを実施し、生産井の掘削、随伴水処理施設、ガスパイプラインおよび液化プラントなどを建設中。2014年にLNG初出荷を目指す。 QGC(93.75%)がオペレーターを務め、中国のCNOOC(5%)、東京ガス(1.25%)が権益参加。LNGの購入量は東京ガスが年間120万トン、20年間、中部電力が年間40万トン、21年間の購入契約も締結済み。中部電力は上流権益は保有していない。CNOOCが年間360万トン、20年間の購入契約を、Quintero LNG Chileが年間170万トン、21年間の購入契約を、更に複数のシンガポールの企業が最大年間300万トンを21年間購入する予定。  なお豊田通商は、子会社である豪州豊田通商CBM Queenslandを通じ本プロジェクトの上流権益の一部(ATP651P鉱区)の15%権益を保有。e.グラッドストンLNG(GladstoneLNG)(GLNG) 本プロジェクトは、Santosが主導。同社はSuratとBowen堆積盆の各鉱区で、2009年11月公表ベースで約4.723tcf(2Pベース)のガス資源量を保有。262012.9 Vol.46 No.5アナリシス出所:APLNGホームページ図19APLNG液化プラント完成予想図出所:INPEXホームページ図20イクシス事業全体図出所:筆者撮影(2011年11月)出所:INPEXホームページ写6APLNGの建設中の写真より図21Blaydin Point(ダーウイン市)の液化施設等想像図 2011年2月にFIDを行い、2015年からLNG初出荷を目指している。Surat堆積盆などのCSGをガスラインでグラッドストン市のCurtis島へ運び、同島に建設中の液化プラントでLNGとして輸出する。 権益参加社はSantos 30%、Petronas 27.5%、Total 27,5%、Kogas 15%。LNGはPetronasが年間350万トン、20年間、Kogasが350万トン、20年間で引き取る契約を締結済み。f.オーストラリア・パシフィック (AustraliaPacificLNG)(APLNG) 本プロジェクトは2011年6月にFIDを行った。Origin Energy37.5%, ConocoPhillips 37.5%、Sinopec 25%の権益構成(図19、写6)。他のプロジェクトとの違いとして、上流(CSGの生産、パイプラインによる液化プラントまでの運搬など)のオペレーターはOrigin Energyが、また下流(液化プラント建設、液化事業、LNGの販売など)はConocoPhillipsがオペレーターになっている。資源量は約12.047tcf(2Pベース)と言われている Origin Energyが所有するBowen、Surat堆積盆の鉱区からCSGを生産、約450kmのパイプラインを通じグラッドストン市のCurtis島の液化プラントでLNG化し輸出する。 当初は1トレインで年間450万トンのLNGを2015年から出荷すべく、液化プラントなどを建設中。総コストは200億米ドル(25億米ドルの予備費含む)と言われている。2012年7月には第2トレインのFIDを行い年間900万トンまで拡大(最大1,800万トン)された。LNG購入者は、Sinopecが年間430万トン、20年間、更に年間330万トン、20年間の購入契約を締結済み。また関西電力が年間100万トン、20年間の仮契約も締結しているが、権益は保有していない。g.イクシス(Ichthys) 国際石油開発帝石(INPEX)がオペレーターとして開発するプロジェクト。2012年1月にFIDを行い建設工事が開始された(図20、図21)。27石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-ャせルーメ市の沖合約425kmのBrowse堆積盆に位置するCalliance、Brecknock、Torosaなどである。ガス埋蔵量は約13.3tcf、コンデンセートも約3億7,000万バレルと見込まれている。 開発概要は、まだ正式には決まっていない。2009年11月に連邦政府と西オーストラリア政府は、鉱区リース延長の条件として、120日以内に開発コンセプトの合意、2010年基本設計、2011年のFEED、これらを踏まえた上で2012年にFIDを行うことで、本プロジェクトの早期の商業化のために尽力するよう求めていた。これを受け、Woodsideは液化プラントをKimberley地区にあるJames Price Pointに設置する案を推し、2010年2月には権益参加社間で合意した。LNG生産能力は、当初は2または3トレインで1,200万トン/年、最終的には2,500万トン/年に拡大する計画を立てている。 一方、2011年8月に連邦政府はKimberley地区の西部約1,900万ヘクタールを世界遺産に登録申請した。この申請対象地域にはJames Price Pointは外されている地区に恐竜のが、海底パイプラインの設置予定地の潮足跡が残っているなど、環境保護への懸念が残っている。また、原住民との間ではJames Price Pointでの開発に向け、原住民の土地利用に関し10億豪ドル相当の補償も行うことが合意されているが、これに対しても連邦最高裁が異議を申し立てるなど、FIDを行う環境がまだ整っていない。 最近の報道では、Woodsideの持つBrowse権益46%からJapan Australia LNG(MIMI)(三井物産、三菱商事のJV)が14.7%の権益を取得する手続きの一環として2012年7月には財務省のFIRB(外国投資審査意委員会)の承認を得たと報道されている。ちょうき ガス資源は、西豪州沖合約200kmのBrowse堆積盆内のイクシスガス田が主体。ガス埋蔵量は12.8tcfと推定されている。また随伴コンデンセートも約5億2,700万バレルの資源量があると推定されている。イクシスガス田から生産された天然ガスは、海上に設置される中央石油処理施設で大部分のコンデンセートやLPGが分離、生産される。これらの製品は出荷も沖合の浮体施設で行われる。ガスは更にイクシスガス田から約889kmの海底パイプラインを通じ北部準州のダーウィン市近郊のBlaydin Pointに設置される液化プラントまで運ばれ、LNG化される。LNGのほかコンデンセート、LPGも出荷される。 当初は2トレインで840万トン/年のLNG、ピーク時でコンデンセート10万バレル/日、LPG年間160万トンの供給を目指す。 LNG生産開始は2016年末を目途としている。本プロジェクトの寿命は40年と言われている。開発コストは、約340億豪ドルと公表されている。権益保有はINPEX 66.07%、Total 30.0%、東京ガス 1.575%、大阪ガス 1.2%、東邦ガス 0.42%。(4)計画検討中のプロジェクト 今後FIDを行うと考えられている計画中のLNGプロジェクトの一例が表7である。 表7のうちBrowse、ArrowおよびSunriseプロジェクトの概要は以下のとおり。a.ブラウズ(Browse) 本プロジェクトのガス田は、西オーストラリア州のブ表7計画中のLNGプロジェクトプロジェクト権益保有企業*オペレーター計画能力(万トン/年)備考:予定スケジュールBrowseWoodside*、BP、Shell、BHPBilliton、Japan Australia LNG(MIMI)Arrow LNGArrow*(Shell/PetroChina)1,2009~18SunriseWoodside*、ConocoPhillips、Shell、大阪ガス4(推定)FEED、環境承認済み。FID は 2013年頃。権益売却など計画全体を検討中FEED終了、2012年EIS申請。FID 2013年頃参加企業間でFLNGを決定。東ティモール政府は反対その他Bonaparte:GdF-Suez*、Santos(FLNGを検討中)。Scarborough:ExxonMobil*、BHP Billiton(検討中)、Montara:PTTEP*(FLNGを検討中)、など出所:各種資料より筆者作成282012.9 Vol.46 No.5アナリシス?.ArrowLNG 本プロジェクトは、ShellとPetroChinaが2010年8月にArrow Energyが主導するCSG-LNGプロジェクトを買収したもの。既にFIDを決め建設を進める他の三つのCSG-LNG事業と同様に、Surat、Bowenなどで、Arrowが所有する鉱区からCSGを生産、新設のガスパイプラインでグラッドストン市のCurtis島の液化プラントでLNG化し、輸出する事業。2011年8月にはArrowはBow EnergyのCSG鉱区も買収し、これらの鉱区からのCSGもLNG化する予定。 当初は2トレインで年間900万トンのLNGを2017年から出荷すべく、FEEDを終了し、2012年には環境影響評価書の提出、承認を受け、2013年にはFIDを行う予定。総コストは約180億米ドルと言われている。LNGの正式な購入契約は締結されてないが、800万トンの量をShellとPetroChinaが引き取ると見られている。c.サンライズ(Sunrise) 本プロジェクトはWoodsideが主導し、ガス田はグレーター・サンライズガス田と呼ばれる北部準州ダーウィンの北西約450kmのティモール海に位置する。鉱区の一部はオーストラリアと東ティモールとの共同開発地域(Joint Petroleum Development Area; JPDA)に位置している。ガス田はSunriseとTroubadourで、計5.13tcfのガス資源、約2億2,600万バレルのコンデンセートの生産が期待されている。 Woodsideがオペレーター(33.44%)で、ConocoPhillips 30%、Shell 26.56%および大阪ガスが10%の権益を保有。権益参加社間で2010年4月にFLNG方式で年間400万トン/年のLNG、コンデンセートの生産、出荷を行うことを決定した。FLNGはShellの進めるPrelude LNG(FLNG)事業の経験を生かす考え。しかしこの案に対し、東ティモール政府が同国への液化プラントの誘致を盾に強く反対していることから、共同開発条件である両国間の合意が得られていない事態になっている。権益参加社らは東ティモールでの液化プラントについては、水深3,400mの海底配管を設置することになり、技術的な安全性や経済性に難があると判断している。このためFID時期は未定。(5)LNG事業の今後について これまで述べたように、豪州で建設中の七つのLNGプロジェクトは2014~2016年頃から順次初出荷を予定している。豪州のLNGはアジア地域にも地理的に近160140120100806040200百万トンFLLNGSunriseBrowseBonparteIchthysPreludeWheatstoneArrow LNGAPLNGGLNGQCLNGGorgonPlutoDarwin LNGNSW2011201220132014201520162017201820192020年出所:各種資料から筆者作成図22豪州のLNG生産能力の累計予測にらく、また狭い海峡等を通過しなくても安全に大消費地に搬送できるなどのメリットがある。これらの計画LNG生産輸出量をグラフ化すると2017年頃には年間約8,000万トン近い輸出が期待できる(図22)。この時点で、カタールの7,700万トン/年の生産施設量を抜きオーストラリアが世界一のLNG輸出国になる。みながら、Browse  更に世界のガス(LNG)市場を睨LNG事業などこれらに続くプロジェクトもいくつか計画されている。 一方で豪州では石炭や鉄鉱石資源などの資源開発も活発に行われており、資源エネルギー分野の技能労働者(電気工、溶接工など)の不足、賃金の高騰、豪ドル高、炭素税の導入(2012年7月から)の影響などから、プロジェクトの完工遅延やLNGの価格競争力が削がれるのでは、との懸念もあることは冒頭に述べたとおりである。 こうした懸念に対して、産業界、連邦および州政府らは、技能労働者の養成・訓練事業への補助金支援、外国人労働者の労働査証(ビザ)の発給事務の迅速化などを進め、各プロジェクトが当初の計画どおりに建設を完工し、LNGの出荷ができるように一体となって事業を推進しているところである。 なお、既存LNG生産輸出国であるカタール、ロシア(サハリン)などに加え、米国のシェールガスのLNG輸出やカナダ、東アフリカのモザンビークからのLNG輸出プロジェクトなども計画されている。世界各国で拡大するLNG市場を睨んで開発事業が活発になっているのも事実である。29石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-V. パイプライン等インフラの概要 図23、図24は、オーストラリアの既存石油およびガスパイプライン、ガス市場の位置を示したもの。 石油の生産は現在Cooper堆積盆(南オーストラリア州北部)に集中していることから石油パイプラインは、アデレードまでとブリスベン市(製油所が2カ所ある)まで延びている。 図24はガスパイプラインを示したもの。ガス市場は、東側州(NSW州、ビクトリア州、クイーンズランド州など)、西豪州と北部準州の三つに分かれており、現時点では各市場間のパイプラインの接続はなく、それぞれ独立したガス市場を形成している。 西豪州ガス市場は国内最大で国内ガス全体の約40%120°BONAPARTE BASIN140°0750kmBROWSE BASINCARNARVONBASINDARWINCANNING BASINAMADEUS BASINCOOPER/COOPER/EROMANGAEROMANGABASINSBASINSBOWEN/SURATBASINS20°BRISBANEPERTH BASINPERTHADELAIDESYDNEYMELBOURNEOil basinBASS BASINGIPPSLAND BASINOil pipelineHOBARTTotal Australian oil reserves = 3,076 mmbbls40°12-5964-3Source:Geoscience Australia出所:Bureau of Resources and Energy Economics図23主要な石油パイプライン120°BONAPARTE BASINBROWSEBASINCARNARVONBASINDARWINCANNING BASIN140°0750kmAMADEUSBASINADAVALEBASINBOWEN BASINSURAT BASIN20°COOPER/EROMANGA/WARBURTON BASINSADELAIDEOTWAY BASINBASS BASINPERTHBASINPERTHGas basinGas pipelineTotal Australian gas reserves = 135 tcf出所:Bureau of Resources and Energy Economics図24主要なガスパイプラインBRISBANECLARENCE-MORETON BASINGUNNEDAH BASINGLOUCESTER BASINSYDNEYSYDNEY BASINMELBOURNEGIPPSLAND BASINHOBART40°12-5964-2302012.9 Vol.46 No.5アナリシスチ費している。西豪州のガス田はCarnarvon堆積盆内つなにあり、沖合ガス田からガスラインが陸上部に繋がれ、沿岸部を通り首都パース市や内陸部の石炭、鉄鉱石等資源産業都市への発電ほかの用途向けに延びている。西豪州は2008年にVaranus島のガス処理施設での爆発事故により一時的に州内で必要なガス量の約30%が供給できなくなった経験から、主要なガス生産会社(BHP Billiton、豪Apacheなど)との間で、生産量の15%を国内向けに供給する契約を締結している。 東側州市場は国内ガス全体の56%を消費している。またCSGの生産が特徴で、2014年からCSGをガスソースとするLNG生産を目指し、Surat堆積盆から、グラッドストン市に向けたガスラインの建設が進んでいる。またCooper堆積盆、ビクトリア州の沖合のGippsland堆積盆のガスラインも縦横に接続されていて、ガスの短期市場も形成している。 北部準州市場は人口も少ないことから約9%の消費にとどまっているが、内陸部のアリススプリングス近郊からダーウイン市までの基幹のガスラインが接続されており、今後の周辺堆積盆(Amadeus堆積盆など)からのガス資源開発にも有利なインフラである。 2012年のAPPEAでは、今後シェールガス・シェールオイル等の非在来型資源開発に必要不可欠なインフラとしては、パイプライン網の充実・整備が挙げられていた。東側州のガス市場は、特にクイーンズランド州のSurat堆積盆やBowen堆積盆でのCSG開発に伴い、充実したパイプライン網が整備されつつある。またCooper堆積盆では2011年後半からWestern Flankのウェットガス生産の本格化に伴うガスラインの整備が行われた。これらのラインは今後の周辺石油ガス田の開発にも利用され、ガス価格の低減化や効率的な供給態勢整備に役立つものと期待されている。 ガスパイプライン等のインフラ整備では2012/2013年度の連邦予算(2012年6月公表)では、パイプラインの整備に約450億豪ドル(約3兆6,000億円)の投資決定がなされており、今後150億豪ドル(約1兆2,000億円)の投資も見込まれている。8. 製油能力  表8に豪州の石油精製能力を示す。製油所の規模は比較的小さく、また稼働開始から多年を経過していることから、近年では採算性の検討が所有会社で行われている。このなかで、ShellおよびCaltex社がシドニーにある製油所の閉鎖を2012年および2014年に行うことを決めている。なお、これらの製油所はそれぞれ製品の輸入、貯蔵基地に改造される。表8豪州の製油所能力州/準州製油所名NSW州クイーンズランド州南オーストラリア州ビクトリア州西オーストラリア州総精製能力42014年末の精製能力Clyde1Kurnell2Bulwar IslandLyttonEromangaPort Stanvac3AltonaGeelongKwinana所有社ShellCaltexBPCaltexIOR EnergyMobilMobilShellBP操業開始年製油能力(バレル/日)19281956196519651984196319491954195590,000130,70090,000108,6001,500(78,000)80,000140,000750,800530,1001:2012年9月までに閉鎖。2:2014年第2四半期に閉鎖。3:2003年に閉鎖、保守管理のみ。4:現在の精製能力(バレル/日)出所:資源エネルギー観光省資料31石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-2/0303/042001/0208/09出所:豪州ガス資源評価書(2012年)から筆者がグラフ化04/0509/1010/11年05/0606/0707/08豪ドルNatural Gas $A/GJLNG $A/GJ1412108 6 4 2 09. ガス価格について 豪州のガス価格の推移は図25のとおり。国内のガス価格は今後、CSG-LNG用のガス生産が本格化することや、二酸化炭素税導入による影響もあり、上昇傾向にある。現時点でも西豪州と東側州では、おおむね1~2豪ドル/GJの差があり西豪州のガス価格が高い。LNG価格については日本をはじめアジア向けが主であり、原油価格に連動した値決めになっていると言われている。しかし詳細は、販売社と購入社間の交渉による。図25豪州のガス価格の推移10. 主な州の上流政策等 (1)西豪州 西豪州の陸上部の石油ガスの生産量は陸上全体の約6割を維持(2011年)。同州政府は陸上部の非在来型資源開発を含めた探鉱促進政策(Exploration Incentive Scheme〈EIS〉)を採っており、約8,000万豪ドル(約64億円)の基金を州内生産の石油ガス収入(ロイヤルティー)から賄っている。未探鉱エリア等での探鉱新規投資を行い石油ガスの新たな発見を目指すもの。 促進策としては、探鉱ライセンスへの申請や獲得にオンラインシステムを活用し、申請、取得手続きの電子化の導入、革新的な掘削計画には資金供与を行う、物理探査や物理化学調査への資金支援、3次元地震探査の地図化事業支援、戦略的な研究への促進支援などがある。 また同州では、州税のロイヤルティーは井戸元価格の10%になっているが、タイトガスは5%に税率を引き下げるなどのインセンティブ策もある。出所:西豪州政府資料出所:南オーストラリア州政府資料図26西豪州の探鉱ライセンス付与の状況(2012年7月)図27南オーストラリア州の探鉱ライセンス付与の状況(2012年7月)322012.9 Vol.46 No.5アナリシス@図26は西豪州の探鉱ライセンス、生産ライセンス等の付与状況図。同州北東部のCanning堆積盆や西部のPerth堆積盆などではまだ未探鉱の広大な領域が広がっている。Canning堆積盆では最近Buru/三菱商事が在来型の石油の試験生産を開始した。陸上部では約10年ぶりと言われる石油生産である。この原油はトラックで同州のKuinanaにある製油所に搬入されるなど、パイプライン網の整備などが今後も必要になる。またシェールガス/タイトガスなどの非在来型資源開発もBuru/三菱商事などが探鉱事業を実施中である。(2)南オーストラリア州 南オーストラリア(SA)州は陸上の探鉱・生産事業が最も活発なCooper堆積盆を州の北東部に持つ。Cooper堆積盆では在来型の石油ガス資源の探鉱・生産を継続するとともに、Santos、Beach Energy、Senex Energy、Drillsearchなどがシェールガス等の非在来型ガス資源の探鉱事業も進めている。 SA州の石油ガスの上流を律する法律は“Petroleum and Geothermal Energy Act 2000”である。公開鉱区への探鉱ライセンス取得は、“探鉱作業計画”(Work Programme)をベースにした競争入札により、申請、付与が行われる。 図27はSA州の探鉱(申請中も含む)、生産・探鉱ライセンスの分布を示す。石油ガスの探鉱ライセンス(青色)は幅広く取得されているが、それ以上に申請中(桃色)色)は、の鉱区も多い。一方で生産開発ライセンスは(橙Cooper堆積盆に集中している。SA州の石油、ガスの生産はこのCooper堆積盆が主流であるがまだ未探鉱の堆積盆も広大である。 Cooper堆積盆での主要な探鉱プロジェクトは、今後シェールガスとタイトガスの探鉱に移っていく。これらの探鉱は水圧破砕法なども実施されている。またEromanga堆積盆では、CSGの探鉱も実施中。 2012年のAPPEA総会では、SA州政府は、シェールガス等の非在来型資源の上流開発からガス資源の有効利用を考慮した下流までのロードマップ案を提案している。シェールガス、タイトガス、シェールオイル、地下石炭層ガス化技術(UCG)の探鉱開発促進、生産ガスの有効利用としてGTL、ミニLNGなどがこのロードマップに描かれている。このロードマップ案については近々公開されて意見を聴取する手はずになっている。 Cooper堆積盆から生産された石油はアデレード、あるいはクイーンズランド州のブリスベンまで延びたパイプラインを主に利用して運ばれ、輸出あるいは国内製油だいだい出所:西豪州政府資料図28NSW州の石油ガスライセンス付与状況出所:ビクトリア州政府資料図29Gippsland堆積盆の鉱区ライセンス付与状況出所:ビクトリア州政府資料図30Otway堆積盆の鉱区ライセンス付与状況33石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-鰍ノフィードされる。(3)ニューサウスウェールズ(NSW)州 NSW州は州内で消費するガス資源のうち、約5%を州内で生産しているに過ぎない。残りはSA州、ビクトリア州やクイーンズランド州からの供給契約に頼っている。 一方豊富にある石炭層からはクイーンズランド州と同様に、CSG開発が期待されている(図28)。 NSW州のCSG開発はシドニー堆積盆や北部ニューイングランド地方のGunnedah堆積盆など農業用地や穀物栽培用地、人口も比較的密集した地域での開発になることから、環境保護団体などから地下水汚染への懸念等反対運動がある。そのため州政府は、“戦略的土地使用法”を制定し、土地使用の優先度を定めることで、CSG開発地域の特定を行うなど、探鉱開発を促進する政策を進めている。ただし2012年3月に発足した新政府は、現在CSG開発に係る法規案“Draft Upper Hunter Strategic Regional Land Use Plan, Draft New England North West Strategic Regional Land Use Plan, Draft Aquifer Interference Policy, Draft Code of Practice for Coal Seam Gas Exploration”の見直しを行っている。 また、これまでNSWではCSGの開発のロイヤルティーは6%から段階的に毎年1%ずつ引き上げて5年後に10%になる政策を採っていたが、今後は当初から10%課税する方針に変更した。なお、関連法規施行にはまだ時間を要することから、CSGの本格的な探鉱開発は2013年以降になると言われている。(4)ビクトリア州 同州では、豊富にある褐炭による火力発電については今後、2016年までに再生可能エネルギーによる発電を10%まで高めることが求められている。また伝統的にガスの生産も陸上部のOtway堆積盆とGippsland堆積盆で行われており、引き続き探鉱事業が進められている(図29、図30)。また、陸上部では、二酸化炭素回収貯留(CCS)および長期の安全性確認のためのモニタリング(世界初)も行われている。11. 石油ガス上流産業の課題、諸規制等について(1)技能労働者不足問題等 豪州では多くの鉱物(石炭、鉄鉱石等)資源開発、エネルギー資源開発、特にLNG基地の建設などが計画されており、技能労働者(溶接工や電気工など)の特殊な技能を持った労働者不足の解消が課題になっている。技能労働者の不足は、労働者への手厚い経費負担(例:フラインフライアウト〈作業員を飛行機で送り迎えすること〉、住宅の手当てなど)による争奪など、結果として高賃金やプロジェクトの高コスト化を引き起こしているとも言われている。労働者の高齢化も問題であり、更には、若年層への入れ替えがスムーズにいっていない問題もある。 2010~2011年度から過去3年を見ても、資源エネルギー産業で働く労働者は総雇用者の約2%で、約20万5,000人程度である。そのうちエネルギー分野で石油・ガスの抽出に携わる労働者は約1万5,000人とその数は決して多くないのが実態である。 連邦政府や関係する各州政府は、国内技能労働者の新たな技能訓練への補助養成、原住民への職業訓練、大学への資金供与による研究促進や技能者の育成、女性の資源分野への就職機会促進、など各種の方策を採ることで技能技術者の確保を図っている。ただ一朝一夕には解決できない問題である。それでも足りないという場合は、例えば北部準州政府は、短期就労査証(サブクラス457)、企業保証移民協定および地域移民協定などにより、外国からの労働者確保を図る方策も採っている。 なお、最近の報道では、2014年のLNG生産を目標に建設工程の約半分を経過したGorgon LNG事業ではオペレーターのChevronが2012年末までに予算の見直しを行うと発表した。人件費のコストアップ等がその要因であると言われている。(2)石油ガス産業に係る規制、税制等①沖合の石油ガス事業への安全規制強化 豪州でも今後沖合の探鉱等がフロンティア地域や大水深海域で増える傾向にある。こうしたなか、沖合鉱区での石油ガスに係る事故として2009年8月にPTTEPのティモール海でのリグ火災、原油流出事故があった。またその後2010年4月に米国メキシコ湾でのBPの原油流出事故を受け、連邦政府は各州政府とも再協議して沖合での石油ガス開発事業の安全強化を図る方針を打ち出した。342012.9 Vol.46 No.5アナリシスA邦政府は、これらの規制強化は結果的に豪州が石油・ガス探鉱の投資先として安全で魅力ある国にすることを目的にしている、と説明している。これにより2011年に国家統一規則が制定され、沖合での探鉱事業などの安全規制が強化された。 この結果、現在連邦政府が管轄する沖合石油・地球温暖化ガス貯留法2006(OPGGSA)および関連法規の下に、探鉱、生産開発ライセンスなどの一元管理を行う“国家沖合石油ライセンス管理機構”(NOPSA)と“国家沖合石油安全環境管理機構”(NOPSEMA)が設置され、沖合での石油ガス事業の安全等について一元管理、規制を行っている。②石油資源利用税(PRRT:PetroleumResourceRentTax)およびロイヤルティー PRRTは従来、沖合の石油ガス事業に適用された資源税の一つで、石油ガスプロジェクト利益に課税される税制で税率は40%である。税収入は連邦政府収入になる。 2012年7月1日から施行された新規の鉱物資源利用税(MRRT)は税率30%で石炭と鉄鉱石資源産業の一定規模以上の業者のみに適用される。連邦政府はMRRTを30%としたため将来の連邦政府の財政改善に向けてMRRT導入に併せ、既存のPRRTを従来の沖合石油ガス開発プロジェクトのほか、陸上の石油ガス生産事業に拡大適用することになっている。 一方、各州/準州が陸上でのガス事業会社に課税しているのがロイヤルティーで、井戸元価格の10~12.5%である。陸上での石油生産にも生産量によって変動する税率が適用され、これらは各州/準州の収入になっている。今回のPRRTの、陸上の石油ガス事業への拡大適用にあたっては、二重課税を防ぐために連邦政府から各州/準州にロイヤルティーと石油税分が還付される仕組みになっている。③二酸化炭素税 豪州のクリーンエネルギー政策の一環であり、2015年からの二酸化炭素取引スキームに移行する前提で、2012年7月1日から二酸化炭素を排出する事業会社(各事業会社からの排出量報告義務があり、上位500社程度から対象事業会社が毎年選定される)から炭素税として1年目は23豪ドル/トン(その後、毎年段階的に課税額は上昇)を課税する仕組み。 石油ガスエネルギー業界は二酸化炭素の排出量が大きいことから、プロジェクト経済性への影響が大きいとして政府に再考を求めていたが、同法案可決を最重要視し、環境保護などを打ち出しているグリーンズ党が賛成に回ったことで、2011年12月に同法は成立し、施行された。 石油ガス上流業界等からは、競争する他の資源国では炭素税の導入がまだないことから、LNG事業などの国際競争力(価格面)を削ぐとして懸念されている。なお、Chevronが進めるGorgon LNG事業では産出ガス含有の二酸化炭素の割合が高い(十数パーセント)ことから、できるだけCO2を産出ガスから回収し圧縮液化し、LNGプラントを設置するBarrow島の地下約1.5kmの安全な貯留岩層に封じ込める事業、二酸化炭素回収貯留技術(Carbon Capture and Storage:CCS)を導入している。由は老朽化に伴う採算性の悪化や両社のポートフォリオ上、アジアの最新鋭の製油所から石油製品を輸入したほうが、国内精製より採算が取れるとの経済的な判断によるものである。 豪州政府は、脆化する石油セキュリティ向上のためにいくつかの施策を実行している。例えばバイオエタノールを国内生産し10%添加したバイオガソリン(通称E10)を最も安く販売するなどガソリン消費量の抑制に努めている。また自動車用ディーゼル油などにもバイオディーゼルの導入を行っている。中小のガス資源を持つ弱じぜいゃく12. 豪州の石油セキュリティについて 豪州は冒頭述べたように石油生産が減退傾向にある。一方で石油需要の伸びが大きいことから石油製品の輸入依存が高まる傾向にある。2011年は約103万バレル/日の石油消費に対し、国内生産は約48万4,000バレル/日と輸入依存度は約53%となっている。製品別では自動車用軽油は輸入依存度が約41%となっている。 国内供給態勢ではオーストラリアShellおよびオーストラリアCaltexが最近相次いでシドニーにある製油所をそれぞれ2012年、2014年に閉鎖し、石油製品の輸入基地に転換する計画を公表している。製油所の閉鎖理35石油・天然ガスレビュー豪州の石油ガス上流産業の現状と今後について -LNGがエネルギー輸出の柱に、非在来型資源を在来型資源に-J発会社の中には、ガスのマネタイズ手段として今後GTL事業の実用化を考えている会社も多くある。GTLは石油セキュリティの向上に最も有効な方策と考えられる。 また国際エネルギー機関(IEA)加盟国である豪州は、前年の純石油輸入量の90日分の備蓄(石油在庫)の保持義務がある。石油製品の輸入依存度が高まるなか、備蓄量維持のために、閉鎖される製油所を製品輸入基地に転換するのもこの方策の一環でもあると言える。もちろん上流探鉱開発事業の促進を常に行い、国内石油自給率の向上にも努めている。おわりに 豪州の石油ガス上流事業は、当面は大型の七つのLNG事業の推進、生産開始に続いて、資源量の評価作業などが大きな事業として注目されると思われる。一方、ポストLNGはシェールガス等の探鉱開発が急務である。IEAの言う「ガス黄金時代」を豪州が迎えられるか否かも、この非在来型資源開発の結果にかかっているといっても過言ではない。 2012年5月のAPPEAでは、“技術革新”“非在来型を在来型に”がキーワードであった。世界初となる非在来型CSGのLNGプロジェクト化や本格的FLNGも、これまで豪州で蓄積が進んできた技術革新の賜ものである。 CSGの大方を生産するクイーンズランド州のアナ・ブライ前首相(2012年3月まで)は、2011年、ブリスベンで開催されたCSG国際シンポジウムの基調講演で「10年前、CSGは夢だった、5年前は資金がなかった、しかし今はクイーンズランド州に大きな経済効果をもたらすCSG-LNG事業が三つ具体化し、更にいくつか計画されている」と講演した。米国のシェールガス革命の発生も過去二十数年間に起きた掘削等の技術革新、探鉱投資の促進、それを具体化、支援する政策があったからだと言われている。 豪州の非在来型資源開発では、米国等の経験を豪州の地質に適用、応用するにはまだ若干時間がかかるようである。この点に係る技術革新に成功すれば、今は非在来型資源と言われている資源も在来型資源という概念で表現される時が来るかもしれない。西豪州政府の探鉱促進政策(Exploration Incentive Scheme)や南オーストラリア州の非在来型資源開発に係るロードマップ案などがそれを具体化するための政策である。 豪州の上流産業は、安全な操業ができる能力、技術力のある世界中の石油会社が、利益を得ることができると判断すれば、容易に参加できる仕組みとなっている。 日本経済発展のために必要な安定した石油ガスエネルギー資源の供給元として、また新たな分野(非在来型資源を在来型資源へ、日本GTLの適用など)への挑戦の機会を与えてくれる豪州は、引き続き石油ガス上流分野において重要視すべき国と言える。執筆者紹介丸山 裕章(まるやま ひろあき)1980年、横浜国立大学卒業。大学卒業と同時に石油公団(当時)入団。備蓄業務部技術課長、石油天然ガス開発技術企画部研修チームリーダー、備蓄企画部国際課長等を経て、2009年8月よりシドニー事務所勤務。シドニーでは日本で製造したカローラでドライブとデジカメでの風景撮影を楽しむと同時に、最近は自然公園内で遊歩道を散歩したりして運動不足を解消中。LainieKelly(レイニー ケリー)University of Sydney, Bachelor of Arts(シドニー大学、文学部)Jetroシドニーの調査員を経て、2005年7月よりJOGMECシドニー事務所調査員(石油・天然ガス部門)となり、現在に至る。古代史に関心を寄せており、週末は、水泳とサイクリングを楽しんでいる。362012.9 Vol.46 No.5アナリシス
地域1 大洋州
国1 オーストラリア
地域2
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国・地域 大洋州,オーストラリア
2012/09/20 [ 2012年09月号 ] 丸山 裕章 Lainie Kelly
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