ページ番号1005984 更新日 平成30年2月16日

アブダビ石油のゼロガスフレアリング対策

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レポートID 1005984
作成日 2002-01-30 01:00:00 +0900
更新日 2018-02-16 10:50:18 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 企業技術
著者
著者直接入力 アブダビ石油 技術部
年度 2002
Vol 35
No 1
ページ数
抽出データ アブダビ石油のゼロガスフレアリング対策アブダビ石油 技術部*環境保護に対する関心が世界的にますます高まる中で,近年中東の産油国アブダビにおいても環境法が制定され,HSE活動が高い優先度を持って実施されている。とりわけガスフレアリングの禁止は環境対策という視点のみならず,ガス資源の保全という観点からも最重要事項として取組まれている。アブダビ海上で3油田を操業するアブダビ石油は,環境対策の一環として中東地域では初のサワーガス圧入技術を導入した。これによって,従来燃焼処理していた酸性成分の高いガスを含む全ての随伴ガスを回収して油層に圧入することが出来るようになり,ガスフレアのない環境を実現すると共に,従来から実施している油層へのスウィートガス圧入に加えてサワーガス圧入を追加することによりさらに原油回収の促進を図れることとなった。本対策はアブダビの環境保護とガス資源保全政策に合致するものとして高い評価を受けている。以下に,アブダビにおける環境保護及びガス資源保全の背景とアブダビ石油が実施したガスフレアリング対策の概要を紹介する。1.はじめにアブダビが中東の主要な産油国として世界に認識されてから既に30年以上が経過した。また1971年にアブダビを中心にして近隣の7つの首長国によってアラブ首長国連邦が結成されたが,その連邦財政の大半をアブダビが負担して来ていることを思えば,石油のもたらす富を基に国の発展を図ってきた典型例と言えよう。しかしながら1970年代前半のアブダビでは原油の随伴ガスはその殆どが焼却処理されていた。このガスの浪費を問題視したアブダビ政府は1976年にガス法を制定した。すなわち,原油回収促進を目的とした油層への圧入ガスや操業に必要な電力供給用発電機の燃料ガスとしての使用は認めるが,全てのガスは国の所有物であることが規定された。1970年代後半から1980年代初頭にかけてアブダビでも油のみならずガスが商品となる時代となった。海上ではザクム油田やウムシャイフ油*本稿は,アブダビ石油技術部、技術担当部長 野市晴夫が執筆した。田からの随伴ガスを原料にしてダス島でADGLC(現ADGAS)がLNGの生産を始め,陸上ではマーバン油田のガスを原料にガス化学事業を開始した。その後もガスを原料とした事業は発展を続け,アブダビ全体で1970年代には4,500mmscf/dにも達したフレアガスが1980年代前半には500mmscf/d以下にまで減少した。しかしその後暫くは,原油生産操業時の余剰ガスは従来のようにフレアスタックで焼却処理されることが続き,フレアガスの量は現状維持という状況であった。2.アブダビのHSE活動アブダビ石油が事業活動を始めて約30年になるが,膚で感じた当地の自然環境ひとつを執ってみても,年中晴天だったのが冬には雲がかかるようになったとか,殆ど経験することのなかった雨もかなり降るようになったとか,昔は海に豊富に棲んでいた幾つかの魚介類の姿を見なくなったといった環境の変化が起きているのは事実である。このような変化が何に起因するかは定かではないが,近年の世界的な環境問題意―87―石油/天然ガス レビュー ’02・1}?1:Oil Fields in Abu Dhabi図?2:Oil & Gas Pipelines Network in Abu Dhabi石油/天然ガス レビュー ’02・1―88―ッの高まりと環境保護運動の隆盛はアブダビにも少なからず影響を与え,同国においても環境保護が議論されるようになった。すなわち今までの生産効率優先に加えて環境保護も国の重点政策のひとつとする考え方を掲げ,国際社会における国の地位や評価を高めることを意図するようになった。ADNOCは1993年に有害物質の排出基準を示すガイドラインを作成し,操業各社に通告した。1996年頃からADNOCが主催するHSE委員会に操業各社から委員を召集し,その活動がさらに促進された。ADNOCは各社にHSE ManagementSystemの構築を要請し,その整備を指示している。また本委員会の下部にAir Pollution, WaterPollution, Sludge等各分野毎に担当会社を決めて専門委員会(Champion Committee)を設け,詳細スタディを実施する体制を整えた。ガスフレアリングについては単に環境問題という視点からだけではなく,ガスは国に所有権がある貴重な資源であるという視点から最も重要な対象として扱われている。前述したHSEの各委員会はADNOCの組織上Administration局のE & SD(環境安全部)が主催しているが,ガスについてはExploration & Production局が主催して1996年に石油生産操業各社のみならず,ガス操業会社やケミカル会社等関連各社からもメンバーを召集してZero Gas Flaring&Gas Conservation Task Force(本タスクフォースはその後Energy Conservation, VaporRecovery & Zero Hydrocarbon Flaring TaskForceと改名された)を立ち上げた。このタスクフォースはほぼ四半期毎に開催され,現操業において実施している全てのガスフレアリングについて,これを防止するためにどのような対策を計画乃至実行しているかに関して各社が報告することになっている。対象はフレアガスのみならずタンクからのVapor Loss等全てのガスが含まれる。本タスクフォースの表向きの目的は各社の対策を互いに報告することによって有用な知見を得ようというものであるが,本タスクフォースを利用して各社に対策の実施を促進させるという効果を狙うADNOCの意図も窺える。会議では操業各社は検討中の対策について,その効果に比べて所要コストが大きく実施に当たってはマネジメントのみならず株主各社に承認を得る必要があることやそのためスタディの進捗が遅れ気味であること等さまざまな遅延の言い訳を述べるが,ADNOCは各社の取組みや進捗を比較しつつ促進指導を行うのが定例である。本タスクフォースを進めることでADNOCはガスに関わる環境問題を解決すると共にガス法を更に実体化することを目的としている。2000年2月には連邦環境保護法(FederalLaw of Environmental Protection)が施行され,環境保護は従来のADNOCによる指導から法律に拠る規制となり,現在具体的な基準を示す細則(Executive Regulations)の整備がなされている。アブダビ石油はアブダビ海上においてムバラス油田,ウムアルアンバー(AR)油田及びニーワットアルギャラン(GA)油田の3油田の生産操業を行っているが,操業上ムバラス油田海上,ムバラス島及びサイトターミナル(AR/GA油田の一次処理基地)の3ヶ所でガスを焼却処理してきた。前述のようなアブダビの環境問題及びガス資源に対する方針の下,これら3ヶ所のガスフレア対策が急務となった。3.AR/GA油田の操業AR油田は1982年に発見され,複数の評価井が掘削された後,フィージビリティスタディによって1985年に商業油田として開発に移行することが決められた。開発に当たっては原油回収率の改善と生産量の確保を目的として,随伴ガスを活用した高圧ガス圧入ミシブル攻法が適用された。ARの随伴ガスは腐食性が強く人体にも極めて有害な高濃度の酸性ガス(H2S, CO2)を含むためガス圧入計画に際しては,当時はまだH2Sを多量に含むサワーガスを高圧で圧入するという技術が世界的にも確立されていなかったことから随伴ガス中の酸性成分はスウィートニング装置(DGA)で除去し,スウィートガスのみを油層に圧入することとした。除去された酸性ガスについては,硫黄回収装置の設置も―89―石油/天然ガス レビュー ’02・1}?3:ADOC Fields Layout検討されたが全く経済性に欠け現実的でないため,サイトターミナルのフレアスタックで焼却処理するという方針が決められた。この計画にしたがって,AR油田では1989年に構造頂部からの高圧ガス圧入による生産操業を開始した。AR油田に隣接するGA油田は1984年に発見され1992年に開発移行を決定された。GAは構造形態,産油層,原油性状等がARに類似した言わば兄弟油田であり,AR油田と同一の原油ガス処理設備及びガス圧入装置を共用しているため,AR油田の場合と同様な考え方で開発が進められ,1995年に構造頂部からスウィートガスを使った高圧ガス圧入ミシブル攻法による生産操業を開始した。4.サワーガス圧入の立案AR/GA油田の産油層である上部ジュラ紀アラブ層の油は複数の油層に賦存しており,層準に拠っては多量のガスを含んで溶解ガス押しの排油機構を有しており,地層水の産出は殆どないが,相当量の随伴ガスを産出する。両油田のスウィートガス圧入による生産操業が概ね順調に推移する中で,両油田合計の随伴ガスが約40mmscf/d,その内30mmscf/dのスウィートガスは油層圧入に供されていたが,分離された10mmscf/dの酸性ガスを多量に含むサワーガスは焼却処理されていた。このサイトターミナルでの酸性ガスフレアリング対策が当社にとって可及的速やかに解決すべき課題であった。前述したようにアブダビ海上に在るザクム,ウムシャイフの巨大油田,さらにトタールABKやブンドクといった中型油田からの生産ガスは全てガスパイプラインネットワークを経てダス島に送られて脱硫されLNG化されている。しかしアブダビ石油が操業する3油田はこれらのパイプラインネットワークに繋がっていないため,生産ガスの処理については独自に対処策を考える必要に迫られた。このような環境の中で,近年カナダにおいてサワーガスを高圧で油層に圧入したり,酸性ガスを比較的浅い地層に圧入投棄している実例が石油/天然ガス レビュー ’02・1―90―?ることが分かった。これらの情報を基にサイトターミナルでのガスフレアリングの抜本対策として,①サワーガス(酸性ガスを多量に含む炭化水素ガス)として油層に圧入する,②酸性ガスのまま地層に圧入投棄する,③酸性ガスのままパイプラインを敷設して硫黄回収処理が可能な他操業者に送る,というオプションが検討対象として挙げられた。この中でオプション③は技術的にも安全面からも適用不可と判断され,検討対象から除外された。残り二つのケースについては適用するに当たってその信頼度,安全性等を調べるため調査チームをカナダに派遣し,アルバータ州に散在する実例を視察した。その結果サワーガス圧入,酸性ガス地下投棄共に適切な設計、運転,設備保全及び安全上の配慮を施せば,アブダビにおいても採用可能と判断された。最適な対策を選択するため,この分野で経験のあるカナダのエンジニアリング会社に基本設計を依頼した。その結果,サワーガス圧入,酸性ガス地下投棄共に技術的には実施可能であることが分かった。更に詳しく比較すると,サワーガス圧入は酸性ガス地下投棄に比べ若干高い所要コストが見込まれるが,操業上の安全性と信頼性及び圧入ガスの増加による原油回収率の改善といった多くの利点があり,最終的にサワーガス圧入が対策案として選択された。5.サワーガス圧入設備の建設既存のスウィートガス圧入設備は,つぎのような主たる装置で構成されている。ガススウィートニングユニット(DGA)処理能力:60mmscf/d 脱湿装置(TEG)処理能力:50mmscf/dガスコンプレッサー処理能力:1基当たり15mmscf/d(3基)昇圧能力:165 psig?6300 psig 一方,今回のサワーガス圧入用に既存設備に並列に新たに設置された主たる装置はつぎの通りである。低圧サワーガスコンプレッサー処理能力:1基当たり20 mmscf/d(2基)昇圧能力:5psig?340 psig 高圧サワーガスコンプレッサー処理能力:1基当たり20 mmscf/d(2基)昇圧能力:330 psig?6000 psigサワーガス脱湿装置(TEG)処理能力:40mmscf/d今回のサワーガスプロジェクトは,これらを組み合わせて従来のスウィートガス圧入を継続すると同時に,フレアスタックで焼却されていた全ての酸性ガスを回収し,サワーガスとして圧入に供するものである。ガス圧入能力としては最大でスウィートガス45 mmscf/d,サワーガス40 mmscf/dとなり,合計すると85mmscf/dの圧入能力を持つこととなった。前述の基本方針に基づいて,1998年には基本設計と同じ会社に詳細設計を発注し,同年内に終了した。引き続き建設工事を予定通り完工するため,長納期が見込まれる主要装置であるサワーガスコンプレッサー及び脱湿装置については早期に発注する等スムースな機材の調達を計った。建設業者選定の後,建設作業は1999年6月に開始され2000年3月に完了した。引き続いて試運転を開始したところ,コンプレッサーに過度の振動があることが判明したため,この対策工事を実施した後,8月から試運転を再開した。試運転再開後もコンプレッサーサクションストレーナーのスケールによる目詰まり等の初期トラブルはあったものの,これらにも順次対図?4:建設工事―91―石油/天然ガス レビュー ’02・1]に移行した。6.サワーガス圧入操業AR/GA両油田からの原油はサイトターミナルに集油され,高圧,中圧,低圧1,低圧2の4段セパレーターでガス,油,水に分離されている。高圧と中圧のセパレーターで分離されたガスはスウィートニング装置へ送られて酸性成分を除去し,酸性成分を除去されたスウィートガスは既存の脱湿装置で除湿された後,従来通りスウィートガスコンプレッサーで昇圧され,所定の油層に圧入されている。一方スウィートニング装置で除去された酸性ガスと低圧セパレーターで分離されたサワーガスは,従来フレアスタックへ送られて焼却されていたが,本プロジェクトの完工後は,今回設置した低圧サワーガスコンプレッサーへ送られて350psigまで昇圧されている。昇圧された酸性成分を多量に含むサワーガスは今回設置されたサワーガス用脱湿装置で除湿された後,高圧サワーガスコンプ図?5:サワーガスコンプレッサー図?6:サワーガスコンプレッサー施設全景処し,10月末をもって試運転を終了し,定常運図?7:Conceptual Process Flow Diagram of Sour Gas Injection Facility石油/天然ガス レビュー ’02・1―92―激bサーで6000psigまで昇圧され,サワーガス圧入用に割当てられたガス圧入井を経て油層に圧入されている。また酸性成分を希釈するため高圧セパレーターで分離されたガスの一部がサワーガス用脱湿装置を経由して高圧サワーガスコンプレッサーに供給され,混合されて油層へ圧入されている。現状では従来からあるスウィートガスコンプレッサーで約20 mmscf/dのスウィートガスを,新設したサワーガスコンプレッサーで約18 mmscf/dのサワーガスを油層に圧入している。またフレアスタックでのパイロットガス燃焼以外は,当初の計画通りガスフレアリングはゼロとなった。極めて有害な腐食性ガスを高圧に昇圧するという操業のため,安全管理,安全操業が何にも増して優先することは言うまでもない。運転に当たっては,サワーガスの露点コントロール,腐食発生有無の監視点検,緊急時の速やかな装置のシャットダウン,夜間の保守作業の禁止,保守点検作業時の装置全体のスウィートガス置換等多くのルールを創って遵守している。7.ムバラス油田の操業ムバラス油田は3油田の中では最も長い歴史を持ち,本油田の開発生産の歩みはアブダビの産油国としての発展と軌を一にするものであった。本油田は1968年に発見され,1971年に商業油田への移行が決められた後,生産井の掘削,生産設備の建設が実施されて1973年生産を開始した。本油田の産油層である下部白亜紀タママ層の油は複数の油層に賦存し,油層は強い水押しの排油機構を有し相当量の地層水を産出するが,溶解ガス量は比較的少なく随伴ガスの生産量は小さい。ムバラス油田の原油はガス油比が平均で330scf/stb程度であり,近年の生産挙動では約6mmscf/dの随伴ガスを生産している。本油田の原油処理では,まず海上プラットフォームに設置された一次セパレーターでガスが分離される。ある程度ガスを分離された後の流図?8:サイトターミナルフレアスタック―93―石油/天然ガス レビュー ’02・1フはパイプラインを経て最終処理及び出荷基地であるムバラス島に送られ,ここで残りのガスを全て分離し,製品原油化される。海上で分離されるガス量は約3.5mmscf/dでこの内0.5mmscf/d程度が海上に設置した発電機の燃料として消費される。残りの3mmscf/dのガスは各プラットフォームのフレアスタックで焼却処理されていた。またムバラス島で分離されるガス量は約2.5mmscf/dであるが,海上と同様に発電機の燃料として使う2mmscf/d以外の0.5mmscf/dはムバラス島のフレアスタックで焼却されていた。ムバラス油田のフレアガスはAR/GA油田サイトターミナルでのフレアガスに比較すると量は少ないが,アブダビの厳しいガス資源政策の下では何等かの対策を実施する必要があった。8.ゼロガスフレアリング対策前述したように1970年以前に建設されたムバラス油田の生産設備は,分離された随伴ガスを発電機等の燃料で消費する以外は焼却処理するという方針で設計されている。従来のガスフレアリングを解消するために立案された方法はつぎのような単純明快なものである。まず海上の各プラットフォームで焼却されているガスを,新規に敷設するガスパイプラインを通したり或いは近傍のプラットフォームからは気液混送に拠って海上の中央集油プラットフォーム(CFP)に集め,これを新たに準備したガスパイプライン(MGL)でムバラス島へ送る。ムバラス島では海上から送られてきたガスとムバラス島のプロセス自身から出るガスを全て集め,まとめてサイトターミナルへ送る。サイトターミナルではこの受け取ったガスを,既に稼動しているサワーガス圧入装置に繋いで油層へ圧入するというものである。1998年から2000年に掛けて基本設計,詳細設計,資機材調達が行われた。建設工事は2000年夏から2001年初めに掛けて実施された。具体的図?9:Conceptual Flow Diagram of Zero Gas Flaring石油/天然ガス レビュー ’02・1―94―ネ工事内容は,海上ではガスパイプラインの敷設,既存原油パイプラインのガスパイプラインへの転用,ムバラス島へガスを送るための昇圧用コンプレッサーの設置等であった。またムバラス島では受け入れたガス及びムバラス島のプロセスで出されるガスを脱湿するための脱湿装置の設置,ARサイトターミナルへガスを送るための昇圧用コンプレッサーの設置及びガスパイプラインの敷設等を実施した。建設工事は2001年4月に完了し,5月よりムバラス油田海上及びムバラス島で産出されるガスは発電機の燃料等で消費されるものを除いて全てサイトターミナルへ送られ既に稼動しているサワーガス圧入設備に繋いで油層に圧入するという操業が開始された。9.おわりにサワーガス圧入とゼロガスフレアリングの両プロジェクトの完成によってサイトターミナルにおけるガスフレアリング及びムバラス油田海上とムバラス島のガスフレアリングという問題は解決された。また今回の対策は,ガスフレアの解消という環境対策であると同時にガス圧入による原油回収の促進という一石二鳥の利点を持つものである。アブダビにはまだ幾つかのサワーガスを多量に含む未開発油田が残されているが,この開発を進めるにはサワーガスの処理が不可避となる。従来の硫黄回収で対処すれば,更なる硫黄の山ができることになるため,アブダビ政府としてもサワーガスの油層への圧入乃至は酸性ガスの適当な地層への圧入投棄に期待している。そのため,アブダビ政府はアブダビ石油が行ったプロジェクトに高い関心と期待を抱いており,特にサワーガス圧入には専任の担当官を任命してプロジェクトの進捗を見守った。アブダビではADNOC主催によるHSE関連プロジェクトのコンテストが毎年開催されているが,2000年度のコンテストにおいて操業各社から64件の応募がある中で,アブダビ石油の「サワーガス圧入」が最優秀賞を受賞し高い評価を図?10HSEプロジェクト完成を機に催されたADNOC首脳との会見 受けた。かつては油田操業の象徴とも観られた赤いフレアであったが,今日アブダビ石油の操業する3油田ではフレアは消え去り,操業現場にクリーンで安全な環境が実現した。そして本プロジェクトが今後のアブダビにおける油田開発の先駆例のひとつとなることを期待している。―95―石油/天然ガス レビュー ’02・1
地域1 中東
国1 アラブ首長国連邦
地域2
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地域8
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国10
国・地域 中東,アラブ首長国連邦
2002/01/30 [ 2002年01月号 ] アブダビ石油 技術部
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