ページ番号1006015 更新日 平成30年3月5日

El Paso は従来の陸上 LNG 受け入れ基地が不要となる Energy Bridge プロジェクトを計画

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レポートID 1006015
作成日 2002-07-30 01:00:00 +0900
更新日 2018-03-05 19:32:42 +0900
公開フラグ 1
媒体 石油・天然ガスレビュー
分野 天然ガス・LNG企業
著者
著者直接入力 長谷川 徹
年度 2002
Vol 35
No 4
ページ数
抽出データ トピックスEl Pasoは従来の陸上LNG受入基地が不要となるEnergy Bridgeプロジェクトを計画米El Pasoは米国でのLNG船の受入において“Energy Bridge”と呼ばれる新たな技術を導入することを計画している。同社の最近の説明よれば,“Energy Bridge”とは,LNGを再びガスに戻す気化装置をLNG船の船上に装備し,(LNGそのものではなく)気化したガスを直接陸側のパイプラインに供給する技術だということである。この方式を用いる最大のメリットは,従来型のLNG受入基地を陸上に建設する必要がなくなることである。米国では,昨年9月の同時テロ以降,安全対策を詳細に検討する必要が生じる等,受入基地の建設が難しくなっている事情がある。LNG船は海岸から10?12海里の係留地点に到達すると沖合いの浮遊式ブイに係留される。そのため,陸地からは停泊中のLNG船は陸地からは見えない。Energy Bridgeはコスト面のみならず,大都市近隣に立地する従来型LNG基地の安全性への懸念に対する一つの回答になり得るものだと言える。上記の係留方式はもともと気象条件が極めて厳しい北海における石油生産で利用されてきたものであり,天候や海象条件に左右されない利点もある。ただし,LNG船にこの技術を適用するのは今回が初めてのことである。本Energy Bridge計画における貨物の受入では,LNG船は浮遊式ブイに係留され,同時に天然ガスの荷揚げ用にフレキシブルライザー管とも接続される。同ライザー管はフレキシブルホースを通して海底パイプラインに接続しており,海底パイプラインから米国本土へのガスパイプラインシステムにつながり,LNG船から直接マーケットへ天然ガスを供給するのである。El Paso によれば,Energy Bridgeを装備する追加コストは1船当たり数千万ドル程度になり,本装置の設置によりLNG船への投資額は約40%上昇するが,受入基地まで含めた総投資額は下がると試算している。本システムのLNG再ガス化能力(ならびにポンプ能力)は日量400百万cf/dであり,従来と比較すると荷役時間が著しく長くなる(試算では約160時間程度,従来船は約13時間)という欠点が生じる。さらに,Energy Bridge方式では,貯蔵タンクを経由しないため,陸上のパイプライン側にガスを受け入れ続けられるだけの余剰能力が必要となる。ただし,長期間停泊させることの操業面での問題については考慮しているということである。Energy Bridgeシステムを設置するのは,ElPasoが従来型のLNG船としてEl Pasoが発注し,商船三井/Exmar連合から定期用船することが決まっているLNG船3船である。これに韓国のDaewooが船上に再ガス化器を追加してEnergy Bridge船に転換する。第1船は2004年第4四半期に,残りの2船は翌2005年に引き渡される計画となっており,ElPasoはEnergy Bridgeによる初荷役を2005年にはメキシコ湾のどこかで行うことを計画中である。そのため同社は,現在米FERC(連邦エネルギー規制局)やコーストガード等の関係機関との話し合いを進めている。なお,同社は将来的には本システムを米国東海岸や西海岸,最終的には海外でも展開したい考えである。(担当 長谷川)石油/天然ガス レビュー ’02・7―54―
地域1 北米
国1 米国
地域2
国2
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地域4
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地域5
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地域6
国6
地域7
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地域8
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地域9
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地域10
国10
国・地域 北米,米国
2002/07/30 [ 2002年07月号 ] 長谷川 徹
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