米国系の世界最大のスーパーメジャー。
200 近い国、地域において探鉱、掘削、石油製品、天然ガス、石油化学、再生可能エネルギー等の事業を展開する世界最大の民間石油企業である。ともにスタンダードオイル系のメジャーであった Exxon（エクソン）と Mobil（モービル）が、1999 年 11 月に合併して誕生した世界最大の民間石油企業である。
Exxon の前身は、1882 年 8 月 5 日、ロックフェラーのスタンダードオイルトラストの一分枝として設立された Standard Oil Co. of New Jersey ; SONJ（スタンダードオイルオブニュージャージー）である。同社は 1892 年にスタンダードトラスト傘下の 33 社を統括する持株会社となったが、1911 年、シャーマン法違反に問われた「解体」によって一操業会社として再スタートした。戦後、1948 年の ARAMCO（アラムコ）の権益 30 ％取得を始めとして、原油基盤の強化と事業内容の拡大を進め、 Esso（エッソ）の商号のもとに世界市場トップの座を制した（1972 年 11 月 1 日、商号を Exxon に変更）。
Mobil の前身は、1882 年にロックフェラーのスタンダードオイルトラストによって、金融、輸出業務担当企業として設立された SOCONY (Standard Oil of New York)と、1866 年に設立され 1879 年にスタンダード傘下に入った潤滑油専門企業 Vacuum Oil Co.（バキュームオイル）である。1931 年、両社は合併して Socony Vacuum（ソコニーバキューム）となり、その後内外での原油生産部門を獲得して本格的な一貫操業体制を整えた。戦後、1948 年に Aramco への 10 ％参加、1954 年にイランコンソーシアムへの 7 ％参加を果たして、ようやく原油基盤が強化された。1955 年に社名を Socony Mobil（ソコニーモービル）に変更、1966 年に Mobil が正式社名となった。
ExxonMobil（エクソンモービル）の 2004 年末の原油ガス埋蔵量は 221 億 BOE（バレル石油換算）、同年の純利益は 253 億ドルと、同じくスーパーメジャーと呼ばれる BP の 183 億 BOE 、157 億ドル、シェルの 125 億 BOE 、181 億ドルを大きく引き離している。253 億ドルの純利益のうち、66 ％の 167 億ドルは上流部門からの利益であるが、同社の資本支出額全体のうち、上流部門への資本支出の比率は 2002 年以降 75 ％、77 ％、79 ％と上昇しており、収益部門である上流部門への投資をより重点的に行っている。

（ICEP、2006 年 3 月）